...」僕等はもうその時には第六の龕の前に立つてゐました...
芥川龍之介 「河童」
...常に此新山堂下の白狐龕(びやくこがん)を無賃の宿として居るといふ事も亦...
石川啄木 「葬列」
...朋輩(ほうばい)の僧達は龕(がん)を買(こ)うてその骨を焼き...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...浪子をば今は世になき妻を思うらんようにその心の龕(がん)に祭りて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...母は僕に龕燈提灯を持たして...
豊島与志雄 「道連」
...龕に通ずる狭い道を押し合ひへし合ひして帰つた...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...龕灯提灯(がんどうぢょうちん)を提(さ)げた男が...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...只だ一番先きの男が龕燈提灯を此方へ差向けて見詰て居るので...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...それは初期の地下塋窟の見本ともいうべき壁龕になってるらしく...
野上豊一郎 「処女の木とアブ・サルガ」
...龕灯(がんどう)返しの仕掛けだ...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...軒さきに吊るした吊龕籠(つりがんとう)の薄あかりが右手の丸窓からぼんやりと円卓の上へさしかけていて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...龕灯(がんどう)いらずに物もさがせば細かい仕事もするという奇態な眼を持っているので...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...その小卓の上には丸い笠で蔽われた青銅製の聖龕(ジャーツス)が置いてありますが...
久生十蘭 「ハムレット」
...云はば内陣ともあるべき幅一間程の細長い板の間の奥に龕(おづし)がある...
平出修 「夜烏」
...大層な龕灯を点けて行くなんて...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...今井 (フーフー言いながら龕灯を提げて出て来る...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...外廓の内側に沿える巷石垣の中に作り込めたる龕(がん)に...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...洞(ほら)の左右には処処(ところ/″\)に暗い大きな龕(がん)が掘られて居て...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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