...龕(がん)の中に佇(たたず)んだ聖者の像を照らしている...
芥川龍之介 「おしの」
...フランシスとその伴侶(なかま)との礼拝所なるポルチウンクウラの小龕(しょうがん)の灯(ともしび)が遙か下の方に見え始める坂の突角に炬火(たいまつ)を持った四人の教友がクララを待ち受けていた...
有島武郎 「クララの出家」
...わが店を出でんとて彼龕の前に來ぬるとき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...常に此新山堂下の白狐龕(びやつこがん)を無賃の宿として居るといふ事も亦...
石川啄木 「葬列」
...龕燈(がんどう)の火(ひ)で照(て)らして見(み)ると...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...小丘の上に石龕あり...
大町桂月 「南洲留魂祠」
...眺めている龕灯に灯がとぼっても...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...將さに明朝開龕を看んと欲するなり...
長塚節 「草津行」
...龕灯提灯(がんどうぢょうちん)を提(さ)げた男が...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...過去と云う怪(あや)しき物を蔽(おお)える戸帳(とばり)が自(おの)ずと裂けて龕(がん)中の幽光(ゆうこう)を二十世紀の上に反射するものは倫敦塔である...
夏目漱石 「倫敦塔」
...その先の突きあたりの中央にはヘイカル(聖所)と呼ばれる半円形の壁龕になった祭壇があり...
野上豊一郎 「処女の木とアブ・サルガ」
...龕灯の灯先を向けてやりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二條の泥棒龕燈の灯が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小説家は窓龕(そうがん)の中へ引きこもってしまった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
...次第に強くなる(峠の方から登って来る人の手に持たれた龕灯の光)...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...池の中洲に海底石の龕塔(がんたふ)が葉を落した枝垂桜(しだれざくら)を挿んで立つてゐる...
室生犀星 「名園の落水」
...龕(がん)の灯が...
吉川英治 「親鸞」
...そこかしこに大きな壁龕があって...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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