...赤坊は堅くなりかかった歯齦(はぐき)でいやというほどそれを噛(か)んだ...
有島武郎 「カインの末裔」
...歯齦(はぐき)が歯になるものを滲み出さすのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...」と児玉氏は卓子(テーブル)を間(なか)に馬のやうに齦(はぐき)をむいで見せた...
薄田泣菫 「茶話」
...歯齦(はぐき)から血の出るほどの殴打があった...
太宰治 「古典風」
...ソシテワザト上下ノ歯齦(はぐき)ヲ強ク噛ミ合ワセ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...それは上唇の肉と上顎部(じょうがくぶ)の歯齦(はぐき)が裂けて...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...くいついた歯齦(はぐき)を見せながら笑った...
徳田秋声 「新世帯」
...ただに歯のみではなく歯齦(はぐき)までも現わし...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...一キロ内外の距離にあって、多くは家の中などにいてなんの創傷も受けず、その後軽い下痢くらいはあったが、元気で他の人の看護や焼け跡整理に立ち働いていた人々が、全身倦怠、皮膚蒼白の前駆症をもって発病し、体温は四〇度以上に上昇し、そのまま稽留し、口内炎を起こし、歯齦潰瘍ができ、後それは壊死し、咽頭義膜、潰瘍性扁桃腺炎を惹起し、飲食不能となる...
永井隆 「長崎の鐘」
...煙管(きせる)をすつと拔(ぬ)いてから又(また)齒齦(はぐき)へ空氣(くうき)を吸(す)うて煙(けぶり)と一つに飮(の)んで畢(しま)つたかと思(おも)ふやうにごくりと唾(つば)を嚥(の)んで...
長塚節 「土」
...だん/\燒(や)いて膨(ふく)れても外側(そとがは)は齒齦(はぐき)を痛(いた)める程(ほど)硬(こは)ばつて來(き)た...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)の齒齦(はぐき)には蕎麥(そば)が辷(すべ)つて噛(か)めなかつた...
長塚節 「土」
...煙管(きせる)を持(も)たぬ所在(しよざい)なさに麁朶(そだ)の先(さき)を折(を)つて其(その)癖(くせ)の舌(した)を鳴(な)らしつゝ齒齦(はぐき)をつゝいて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...缺(か)けた齒齦(はぐき)で噛(か)んで嚥下(のみくだ)して...
長塚節 「土」
...ざらざらした親指を相手の頬と下歯齦(はぐき)にかけただけで...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
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水野仙子 「散歩」
...歯なみよい細かい前歯と齦(はぐき)とがヒーンとすっかり見えた...
「一本の花」
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吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
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