...自分の書齋に引ツ込んでばかりゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...この昔から書齋兼用の寢室であつたところへは入れなかつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...客間兼書齋に直り...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...芥川の二階の書齋は...
小穴隆一 「二つの繪」
...齋(いは)ひ子の斯くや...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...身(み)ぞひとり齋居(いもゐ)精進(さうじ)の籠(こも)り居(ゐ)に...
薄田淳介 「白羊宮」
...嵯峨の奧に身を捨てたる齋藤時頼...
高山樗牛 「瀧口入道」
...明け放した襖越しに見える次の間の書齋には...
永井荷風 「新歸朝者日記 拾遺」
...何時(いつ)見(み)ても整然(せいぜん)と秩序(ちつじよ)の付(つ)いた書齋(しよさい)を空(から)にしては...
夏目漱石 「門」
...書齋(しよさい)の柱(はしら)には例(れい)の如(ごと)く錦(にしき)の袋(ふくろ)に入(い)れた蒙古刀(もうこたう)が振(ぶ)ら下(さ)がつてゐた...
夏目漱石 「門」
...「猩々齋と來た日にや苦手だぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...親方の月齋と一緒に江の島の辨天樣の欄間(らんかん)の修復に行つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...壽齋は自害でもしたといふのか」三輪の萬七は紛々(ふんぷん)として...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...書齋へ引つこんで森としてゐる良人の前に坐つて...
林芙美子 「或る女」
...父は歎息して、無理は無い、居愁らくもあらう、困つた中に成つたものよと暫時阿關の顏を眺めしが、大丸髷に金輪の根を卷きて黒縮緬の羽織何の惜しげもなく、我が娘ながらいつしか調ふ奧樣風、これをば結び髮に結ひかへさせて綿銘仙の半天(はんてん)に襷(たすき)がけの水仕業さする事いかにして忍ばるべき、太郎といふ子もあるものなり、一端の怒りに百年の運を取はづして、人には笑はれものとなり、身はいにしへの齋藤主計(さいとうかずへ)が娘に戻らば、泣くとも笑ふとも再度原田太郎が母とは呼ばるゝ事成るべきにもあらず、良人に未練は殘さずとも我が子の愛の斷ちがたくば離れていよ/\物をも思ふべく、今の苦勞を戀しがる心も出づべし、斯く形よく生れたる身の不幸(ふしやはせ)、不相應の縁につながれて幾らの苦勞をさする事と哀れさの増れども、いや阿關こう言ふと父が無慈悲で汲取つて呉れぬのと思ふか知らぬが決して御前を叱るではない、身分が釣合はねば思ふ事も自然違ふて、此方は眞から盡す氣でも取りやうに寄つては面白くなく見える事もあらう、勇さんだからとて彼(あ)の通り物の道理を心得た、利發の人ではあり隨分學者でもある、無茶苦茶にいぢめ立る譯ではあるまいが、得て世間に褒め物の敏腕家(はたらきて)などと言はれるは極めて恐ろしい我まゝ物、外では知らぬ顏に切つて廻せど勤め向きの不平などまで家内へ歸つて當りちらされる、的に成つては隨分つらい事もあらう、なれども彼れほどの良人を持つ身のつとめ、區役所がよひの腰辨當が釜の下を焚きつけて呉るのとは格が違ふ、隨つてやかましくもあらう六づかしくもあろう夫を機嫌の好い樣にとゝのへて行くが妻の役、表面(うはべ)には見えねど世間の奧樣といふ人達の何れも面白くをかしき中ばかりは有るまじ、身一つと思へば恨みも出る、何の是れが世の勤めなり、殊には是れほど身がらの相違もある事なれば人一倍の苦もある道理、お袋などが口廣い事は言へど亥之が昨今の月給に有ついたも必竟は原田さんの口入れではなからうか、七光(なゝひかり)どころか十光(とひかり)もして間接(よそ)ながらの恩を着ぬとは言はれぬに愁らからうとも一つは親の爲弟の爲、太郎といふ子もあるものを今日までの辛棒がなるほどならば、是れから後とて出來ぬ事はあるまじ、離縁を取つて出たが宜いか、太郎は原田のもの、其方は齋藤の娘、一度縁が切れては二度と顏見にゆく事もなるまじ、同じく不運に泣くほどならば原田の妻で大泣きに泣け、なあ關さうでは無いか、合點がいつたら何事も胸に納めて知らぬ顏に今夜は歸つて、今まで通りつゝしんで世を送つて呉れ、お前が口に出さんとても親も察しる弟(おとゝ)も察しる、涙は各自(てんで)に分て泣かうぞと因果を含めてこれも目を拭ふに、阿關はわつと泣いて夫れでは離縁をといふたも我まゝで御座りました、成程太郎に別れて顏も見られぬ樣にならば此世に居たとて甲斐もないものを、唯目の前の苦をのがれたとて何うなる物で御座んせう、ほんに私さへ死んだ氣にならば三方四方波風たゝず、兎もあれ彼の子も兩親の手で育てられまするに、つまらぬ事を思ひ寄まして、貴君にまで嫌やな事をお聞かせ申しました、今宵限り關はなくなつて魂一つが彼の子の身を守るのと思ひますれば良人のつらく當る位百年も辛棒出來さうな事、よく御言葉も合點が行きました、もう此樣な事は御聞かせ申しませぬほどに心配をして下さりますなとて拭ふあとから又涙、母親は聲たてゝ何といふ此娘は不仕合と又一しきり大泣きの雨、くもらぬ月も折から淋しくて、うしろの土手の自然生(しぜんばえ)を弟の亥之が折て來て、瓶にさしたる薄の穗の招く手振りも哀れなる夜なり...
樋口一葉 「十三夜」
...きょうの勇齋のことを孝助が新五兵衛に報告すると相変らず話半分しか聞かないでいちいち「そこは巧い」とか「そこのところは拙い」とか「いや...
正岡容 「我が圓朝研究」
...與謝野晶子氏など、いはゆる、生活も書齋も、洋風の方には、ずゐぶん早い方で、歌の會などもホテルに限つてゐたやうだつたが、近頃では、障子明りの部屋でないと、心から出た歌らしい歌はできないといつてゐる...
吉川英治 「折々の記」
...大體書齋人のグループを見ますと大概さうですね...
吉川英治 「折々の記」
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