...純次の鼾(いびき)がいぎたなく聞こえるばかりだった...
有島武郎 「星座」
...秀才の女房は眼蓋(まぶた)の上に疵(きず)がある――しばらく逢わないが呉媽はどこへ行ったかしらんて……惜しいことにあいつ少し脚が太過ぎる」阿Qは彼の胸算用がすっかり片づかぬうちにもう鼾をかいた...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...いつの間にか三脚椅子の上に眠りこんでいたらしく自分の高鼾にはっと目ざめた...
海野十三 「生きている腸」
...軈て小便をさせて再び床に這入つたと思ふともう又文太郎の高い鼾が始まつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...(ほんとうの鼾かしら? と...
谷崎潤一郎 「鍵」
...病人は依然安らかに鼾ごえを立てている...
谷崎潤一郎 「鍵」
...それでも朝になってから鼾(いびき)を掻(か)いてよく眠った...
谷崎潤一郎 「細雪」
...かすかな鼾の声さえ聞える...
種田山頭火 「夜長ノート」
...そのまま大きい鼾をかいて眠ってしまった...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...雷のような金五郎の大鼾(いびき)が...
火野葦平 「花と龍」
...輪麺麭(ブーブリキ)といつた品々を持つた女商人がグウグウ鼾をかいてゐた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...口をあけてぐつすりと鼾をかいて眠つてゐた...
牧野信一 「熱海へ」
...私は若しや鼾の音でも聞えたら愉快だなと耳を澄せながら...
牧野信一 「奇友往来」
...食訖(おわ)って仮寝(うたたね)する鼾声夥しきを訝(いぶか)り...
南方熊楠 「十二支考」
...嵐(あらし)が吹き入るやうな鼾(いびき)をかいて眠つてしまひましたので...
宮原晃一郎 「漁師の冒険」
...酔(よい)どれ武士の鼾(いびき)を揺り起している...
吉川英治 「剣難女難」
...寝ぎたない兵の鼾(いびき)になった四更(夜明け前)の頃だった...
吉川英治 「私本太平記」
...すると、鼾声がやんだ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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