...その人の耳目鼻口をそれぞれ綿密に観察するように...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...濕(ぬ)れ手拭(てぬぐひ)にて鼻口(はなくち)を被(おほ)ふこと...
今村明恒 「地震の話」
...強烈にして芳醇(ほうじゅん)なる蒸発性物質が名探偵の鼻口を刺戟したらしく...
海野十三 「奇賊は支払う」
...(鼻口を埋む脱脂綿...
小穴隆一 「二つの繪」
...ここに大氣都比賣、鼻口また尻より、種種の味物(ためつもの)二を取り出でて、種種作り具へて進(たてまつ)る時に、速須佐の男の命、その態(しわざ)を立ち伺ひて、穢汚(きたな)くして奉るとおもほして、その大宜津比賣(おほげつひめ)の神を殺したまひき...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...鼻口許をマスクで掩うて...
橘外男 「仁王門」
...顔の割り合いに目鼻口の造作(ぞうさく)が総べて大きく...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...眼鼻口はもとより...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...その鼻口(はなくち)から吐いたものであって...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを後から皇帝の鼻口へ押し当てる...
久生十蘭 「魔都」
...耳目鼻口(じもくびこう)の官能も殆(ほと)んど中止の姿を呈したるその最中に...
福澤諭吉 「人生の楽事」
...ただ耳目鼻口手足をそなえ言語・眠食するをいうにあらず...
福沢諭吉 「中津留別の書」
...眼鼻口の美しさは常に異(かわ)ッたこともないが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...目鼻口が詰まり、あたかもニスを塗ったように、てかてか光ってきた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...耳目鼻口の慾を制限したるより気狂ひとなりたる例は稀ならぬことにて...
正岡子規 「読書弁」
...その木の頭に眼鼻口だけを描いてある...
柳田国男 「こども風土記」
...お母様が押絵の人形の眼鼻口(めんもく)をお描きになる時にはきっと私を呼んで御自分の前に坐らせて...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...林助はくさめを放った鼻口(びこう)へ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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