...おくみは鼠入らずを開けて...
鈴木三重吉 「桑の実」
...まだ師匠や妻君の分が大分皿に盛られたまま晩食の分が鼠入らずに這入っておりますので...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...私は鼠入らずの刺身のお皿を取り出し...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...鼠入らずの中の刺身がなくなっていることを問題にしているらしく...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...私はふと思い起してしばらくうっとりと鼠入らずの前に立ち尽して考え込んでいた...
近松秋江 「うつり香」
...「なんです?」老母(ばあ)さんが四畳半の部屋から顔を窺(のぞ)けて私が鼠入らずの前に突っ立って考えているのを見て「あなたその鼠入らずまで持っておいでなさるんですか? それはおすまにやるんじゃありませんかおすまにやるとおいいなすったんじゃありませんか」口の中で独語(ひとりごと)でもいうようにぶつくさいった...
近松秋江 「うつり香」
...鼠入らずへ入れて...
直木三十五 「南国太平記」
...鼠入らずの戸まで開けて掠奪を逞しゅうする...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...玄関の二畳、勝手につづく茶の間の六畳、狭い庭をひかえた奥の八畳という小体(こてい)な住居だが、長火鉢、茶箪笥、鼠入らず、湯こぼしと、品よく、きちんとして、居なりで用が足りるようになっている...
久生十蘭 「虹の橋」
...荒神様と鼠入らずの間の板壁のところまでゆくと...
正岡容 「圓太郎馬車」
...そこの棚の奥の鼠入らずのようになった個所をカタカタ言わせて開ける...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...鼠入らずの中で肴(さかな)が腐ったり...
森鴎外 「雁」
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