...而も其中に活路を求むるの勇氣を鼓吹する點に於いて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...單純なる悲哀の想を鼓吹するに止りしかど...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...自分の信奉する説を一人にだも多く――うら若い婦人に対してすらも――講演して新らしい思想を鼓吹する機会を得たのを喜んで応じたのであるから...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...だから天然趣味を鼓吹するということはやがて人生に対して超越しているということになる...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...あっちへおいで――私はこの国家的思想を鼓吹するために煙秋(エンチュウ)...
林不忘 「安重根」
...その結果は研究者の増加を促し翻っては一国の学術研究熱を鼓吹することになるであろう...
寺田寅彦 「学位について」
...しかしこれを鼓吹するには何よりも教育者自身が科学者である事が必要である...
寺田寅彦 「雑感」
...講義の内容の外見上の変化が少なくともその講義の中に流れ出る教師の生きた「人」が生徒に働きかけてその学問に対する興味や熱を鼓吹する力が年とともに加わるという場合もあるかもしれない...
寺田寅彦 「蓄音機」
...あまり風呂場を鼓吹するのは危険ではないかと...
寺田寅彦 「電車と風呂」
...知識の代りに情操と信仰とを鼓吹することを務めながら...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...偏へに民權自由論を鼓吹するを目的としたからである...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...恋愛が鼓吹するものはごくつまらないものである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...日本人の本當の尊い性質と云ふものを鼓吹する樣になつたのも...
内藤湖南 「日本國民の文化的素質」
...鼓吹するものであるから...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...しかし執筆の当時には特に江戸趣味を鼓吹する心はなかった...
永井荷風 「正宗谷崎両氏の批評に答う」
...盛んに敵愾心を鼓吹する...
二葉亭四迷 「予が半生の懺悔」
...それを鼓吹する機関が色々あって宜(よ)い訳です...
牧野富太郎 「植物記」
...人間の理想性を鼓吹する好箇の長篇小説である...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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