...支那の骨董品として大昔から古銅器即ち鐘鼎の類が非常に尊重されたものであるし...
會津八一 「支那の明器」
...主人が二人の客と鼎座して...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...人心は鼎(かなえ)のようにわきたった...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...中州(ちゅうしゅう)に焦鼎(しょうてい)という書生があって...
田中貢太郎 「虎媛」
...一番後をあるいている囚人の容貌がどうも兄の鼎に似ているので...
田中貢太郎 「蘇生」
...現今でも頭に合わぬイズムの鼎をかぶって踊って...
寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
...加ふるに二十二メトラの大きさの耳環を附せる大鼎...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...肥後に入り宮部鼎蔵の家を主として...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...近代で最も先駆的な段階は恐らく田口鼎軒氏の『日本開化小史』などに見られるだろう...
戸坂潤 「最近日本の科学論」
...私の知つて居る人では石川誠之助(中岡慎太郎)、菅野覚兵衛、高松太郎、石田英吉、中島作太郎(信行)、近藤長次郎、陸奥陽之助(宗光)、橋本久太夫、左柳高次、山本幸堂、野村辰太郎、白峰駿馬、望月亀弥太、大利鼎吉、新宮次郎、元山七郎、位です...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...手早くズボンのかくしにねじ込んで、酔っ払ったようにフラフラと起ち上ると、「随分変ネ、お隣の鼎さんよ、あんなに親しくして居たのに近頃は私と口も利かないワ、妬いてるんだワ」そう言い乍ら、顔を洗ったばかりの、健康な顔をした秀子が入って来ました...
野村胡堂 「流行作家の死」
...田付(たつけ)四郎兵衛景利(かげとし)の三人が鼎(かなえ)のかたちになって床几(しょうぎ)に掛け...
久生十蘭 「ひどい煙」
...しかるに清の梅文鼎は『暦算全書』を作り...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...天文博士あの焼けている鍵が鼎に触れるや否や...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...勤王の一気は江戸政府の鼎猶隆々たる時に在りて既に日本の全国に磅(はうはく)したりき...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...鼎の輕重はすでに問はれてゐる...
横瀬夜雨 「天狗塚」
...山本鼎(かなへ)がホテルの湯に入(はひ)りに来ては真面目(まじめ)に手解(てほど)きをして呉(く)れる...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...せっかく今日は三人邂逅(かいこう)の愉快な鼎座(ていざ)...
吉川英治 「新・水滸伝」
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