...黯然(あんぜん)と頭をたれた木村に...
有島武郎 「或る女」
...眼のふちが黯(くろ)ずんで鼻が尖(とん)がり...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「麻酔剤」
...どす黯(ぐろ)い血痕の附着した一枚の紙をひろげて...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「無駄骨」
...里になぞやらなくつても好かつたのに――』『本当だ――』父親も母親も黯然としてゐた...
田山録弥 「草みち」
...この辺土に墓となつた征西将軍宮(せい/\しやうぐんのみや)の事蹟(じせき)を考へて黯然(あんぜん)とした...
田山花袋 「父の墓」
...膝をつきつつ黯黒の血をもの凄く吐き出し...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼の一足毎に空はヨリ黯(くら)くなった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...時間よりも寧空の黯い為に町は最早火を点(とも)して居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...周囲(あたり)の黯(くら)い緑に競(きそ)う...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...私は黯然とした...
豊島与志雄 「樹を愛する心」
...硬骨漢(こうこつかん)汲黯(きゅうあん)が退いた後は...
中島敦 「李陵」
...(黯然(あんぜん)として...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...黯黒(くらやみ)の中(うち)からヌッと半身を捉出(ぬきだ)して...
二葉亭四迷 「浮雲」
......
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...独り黯然(あんぜん)と予覚するのであった...
松永延造 「ラ氏の笛」
...あの黯澹たる深紅色の我目を喜ばしむる...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「不可説」
...そして颯々(さつさつ)と雑草を薙(なぎ)る黝黯(あおぐろ)い風……...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...何ともわからぬ一種の音――蜂の巣のそばで聞く羽音のような音がした――と思っているうちに死人の黯(くろ)ずんだ口腔(くち)の中(うち)から...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「青蠅」
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