...画楼簾裡(ぐわろうれんり)に黯淡(あんたん)たるの処...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...黯然(あんぜん)として黄昏(くわうこん)に及んだ...
石川啄木 「悲しき思出」
...黯痣(くろあざ)が大き過ぎる様な気がするのだ...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...里になぞやらなくつても好かつたのに――』『本当だ――』父親も母親も黯然としてゐた...
田山録弥 「草みち」
...この辺土に墓となつた征西将軍宮(せい/\しやうぐんのみや)の事蹟(じせき)を考へて黯然(あんぜん)とした...
田山花袋 「父の墓」
...黯然(あんぜん)として吾(われ)も黙した...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...冷たい黯(くら)い冥府(よみ)になった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...玉川電車で帰る東京の娘を見送って「別れるのはつらい」と黯然(あんぜん)として云った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...其処の墓地の石の下から出て来たかと思わるゝ様な凄(すご)い黯(くら)い顔をして居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...周囲(あたり)の黯(くら)い緑に競(きそ)う...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...私は黯然とした...
豊島与志雄 「樹を愛する心」
...召類篇には史黯を史默に作つてあるが...
内藤湖南 「爾雅の新研究」
...硬骨漢(こうこつかん)汲黯(きゅうあん)が退いた後は...
中島敦 「李陵」
......
牧野富太郎 「植物記」
...独り黯然(あんぜん)と予覚するのであった...
松永延造 「ラ氏の笛」
...英国ノルウェー北米等の海から稀に獲るネレイス・ヴィレンスちゅう大ゴカイの長(たけ)一フィートより三フィートで脊色深紫で所々黯青(あんせい)また緑ばかりで光り...
南方熊楠 「十二支考」
...次にアジアの野驢、これは耳大にも小にも過ぎず、尾は長い方、背条黯褐で、頭より尾に通り(たてがみ)あり...
南方熊楠 「十二支考」
...気味わるく歯を露(あら)わしている黯(くろ)ずんだ唇――それ等のものが永久の眠りを語っているのだ...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「青蠅」
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