...画楼簾裡(ぐわろうれんり)に黯淡(あんたん)たるの処...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...さうして私は眞正に碎かれざる心の苦楚の故に黯然としてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...私は黯然(あんぜん)とした...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...眼の縁はうすく黯(くろ)ずんだけれど...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「碧眼」
...眼のふちが黯(くろ)ずんで鼻が尖(とん)がり...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「麻酔剤」
...黯然(あんぜん)となったのです...
田中英光 「オリンポスの果実」
...「そんな遠い昔のことを今更思ひ出してゐるやうなかの女ではあるまい」かう口に出して言つたBは黯然とした...
田山録弥 「島の唄」
...この辺土に墓となつた征西将軍宮(せい/\しやうぐんのみや)の事蹟(じせき)を考へて黯然(あんぜん)とした...
田山花袋 「父の墓」
...黯紅の海を走れと下命しぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...140 III 401, II 864.140 II 867.その黯紅の血の流れ疵より出づるを眺め見て...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...黯(くら)い気分になった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...黯青(あんせい)に光る空...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...私は黯然とした...
豊島与志雄 「樹を愛する心」
...召類篇には史黯を史默に作つてあるが...
内藤湖南 「爾雅の新研究」
...溝渠の水死して月黯澹たり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...商舗の燈火は黯澹として行人稀なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...独り黯然(あんぜん)と予覚するのであった...
松永延造 「ラ氏の笛」
...何ともわからぬ一種の音――蜂の巣のそばで聞く羽音のような音がした――と思っているうちに死人の黯(くろ)ずんだ口腔(くち)の中(うち)から...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「青蠅」
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