...相かわらず黙々として...
モオパッサン 秋田滋訳 「狂女」
...毎日こんな真暗い頃(ころ)に起きて余念なく黙々と拭き掃除している人もあるのに...
太宰治 「パンドラの匣」
...ただ私は黙々として上気し切っていたというよりほか...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...少女が榻の上に寝ているのについたのです」蓮香は黙々としてそれを聞きながら心に思うことがあるようなふうであった...
田中貢太郎 「蓮香」
...そして夜は雪の消え残った裏通りを黙々として彷徨した...
豊島与志雄 「運命のままに」
...立並んだ人家はまだ黙々と眠っているけれど...
豊島与志雄 「真夜中から黎明まで」
...それにも係らず黙々として僕は一語をも発せず万事を山本さんに一任して事を済ませたのは...
永井荷風 「申訳」
...黙々と家路を急ぎました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――膿(うみ)がしみ込んで黄色くなった繃帯(ほうたい)やガーゼが散らばった中で黙々と重病人の世話をしている佐柄木の姿が浮かんで来ると...
北條民雄 「いのちの初夜」
...黙々として働きつづけた...
牧野信一 「沼辺より」
...黙々として胸を張つた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...下婢の手助けのために深い釣籠井戸から黙々として水を汲みあげることがあつた...
牧野信一 「籔のほとり」
...私は何の不平も口にせずただ黙々として研究に没頭し...
牧野富太郎 「植物記」
...ほかの人の烈しい言葉を黙々として聞いているだけでふだんもそれらしい事は何一つ言いません...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...けれどいつも三人いっしょに黙々と働いていた...
山本周五郎 「菊千代抄」
...彼はテーブルの間を黙々として歩いてみた...
横光利一 「上海」
...再びこの部屋はその奇怪な活動を黙々と続け出すのだ...
横光利一 「上海」
...その武者所への出仕を、高氏はここ一年ほど、黙々と、精励していた...
吉川英治 「私本太平記」
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