...――と云ふよりも寧ろ英雄の中に黙々と生を営んでゐる人間全体を指摘したのである...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...両方とも黙々と口をつぐみ...
梅崎春生 「Sの背中」
...黙々とハンドルを握った...
海野十三 「深夜の市長」
...黙々として明智のあとからついて行った...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...黙々として歩を運んでいるうちに...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...ただ私は黙々として上気し切っていたというよりほか...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...マネットとリューシーとが貸馬車で去るのを黙々と見送った後...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...貧しい魂らの黙々たる苦しみを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...人々はただ黙々として金を受け渡してるだけで...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...ハハ――(笑いながら去る)省三 (それまで黙々として飯をかき込んでいたのが...
三好十郎 「冒した者」
...黙々として視線を眼下の渦の中心に投げていた...
横光利一 「上海」
...黙々と気むずかしい顔をした騎馬の一群が...
吉川英治 「私本太平記」
...「猿、猿と、人も小馬鹿にあしらい、自分もよいほどに視(み)ていたが、あの男は……?」と、彼は彼を見直して、自分の認識を糺(ただ)しながら、黙々と、行軍のなかに、足を運んでいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...「…………」信玄は、黙々として、誰にも答えを与えない...
吉川英治 「新書太閤記」
...黙々と彼のいうがままに元の道へもどって行った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...その滲みをお顔から酔い消すには、まだまだよほど召上がらなければ……」すると、さっきから、黙々と、杯をかさねていた藤原不死人が、「やあ、はなしが、ちと理になった...
吉川英治 「平の将門」
...一顧(こ)するとそのまま黙々と麓へ去った……あとは...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そうして人々は談笑の間に黙々としてこの中心の重大な意味を受け取るのである...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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