...黙々として棋子を下しはじめた...
芥川龍之介 「酒虫」
...あとは黙々として綱をたぐり...
海野十三 「怪塔王」
...めいめいで口をきいてめいめいの意見を吐露すべき会合の席上でいつでも黙々として始めからおしまいまで口を利かない人がある...
寺田寅彦 「柿の種」
...黙々たる陰険なこの町は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は黙々として書き続けた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...黙々として静かにホークを取っただけで...
長谷川時雨 「九条武子」
...それきり相手の将校は黙々と立去つたのである...
原民喜 「小さな村」
...黙々として話を聞き終ると金(かね)ならば金...
夢野久作 「近世快人伝」
...再びこの部屋はその奇怪な活動を黙々と続け出すのだ...
横光利一 「上海」
...われは黙々として妄動す...
與謝野寛 「妄動」
...謙信がいかに日頃から士の養成に細心な気くばりを傾注しているか――またそれを鉄則としている全家中が黙々と有事の日に備えて自分を鍛え合っているか――想像以上なものがそこにはあった...
吉川英治 「上杉謙信」
...黙々と、ひとり山を下って行くらしい様子なので、従者が、あわてて、「どちらへ?」と、訊ねたが、官兵衛は、「――麓(ふもと)まで」と、簡単に答え、なお、「輿(こし)は要(い)らんぞ、輿はいらんぞ」手を振りながら――跛行(びっこ)ではあるが――上手(じょうず)に杖にすがりながら、ぴょんぴょんと、軽く跳(と)ぶように山道を降り始めていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...弦之丞とお綱とは黙々としておぼろな影を新吉の後に添わせてゆく...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...黙々と木戸を開け...
吉川英治 「源頼朝」
...「……よしっ」そういうと、彼は、暗い山笹(やまざさ)の小径(こみち)をひろって、黙々と、館のほうへ降りて行った...
吉川英治 「源頼朝」
...いんぎんに迎える家従らは、黙々、彼を広い客間へ通した...
吉川英治 「宮本武蔵」
...彼女は黙々として寝台の枕もとに立っていましたが...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
...黙々と煙をふかしていた...
魯迅 佐藤春夫訳 「故郷」
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