...曲がり角(かど)の朽ちかかった黒板塀(くろいたべい)を透(とお)して...
有島武郎 「或る女」
...じめじめした小溝(こみぞ)に沿うて根ぎわの腐れた黒板塀(くろいたべい)の立ってる小さな寺の境内(けいだい)を突っ切って裏に回ると...
有島武郎 「或る女」
...向う側がとある大構(おおがまえ)の邸の黒板塀で...
泉鏡花 「婦系図」
...当時の加賀邸の黒板塀と向いの地面の竹垣との間の狭い通路である鶯横町がその月のために昼のように明るく照らされていた...
高浜虚子 「子規居士と余」
...それと同時に右側の黒板塀は無くなつて...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...これを這入って黒板塀と竹藪の狭い間を二十間(けん)ばかり行くと左側に正岡常規(つねのり)とかなり新しい門札がある...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...黒板塀(くろいたべい)の切り戸を押すと...
徳田秋声 「足迹」
...斜に走つた黒板塀の三分の一程の所へ株木門があつて重いが音の低い潜戸が閉つて居る...
徳田秋聲 「媒介者」
...彼は曲り角の黒板塀(くろいたべい)の所でちょっと立ちどまって鼬(いたち)のように津田をふり返ったまま...
夏目漱石 「明暗」
...隣の屋敷と隔てた長い黒板塀になつて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...疊屋の裏は黒板塀を隔てゝ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小さい庭を横切つて黒板塀の潜戸(くゞりど)を押すと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...不淨(ふじやう)門が嚴重に黒板塀(べい)に切つてあります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして左手は質屋の黒板塀が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...古びた黒板塀に行きあたった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...なにをしとるやらわからんような、植込みの深い、黒板塀の家で、古い建物じゃけんど、割方、大きな二階家じゃ...
火野葦平 「花と龍」
...忍返しのついた黒板塀で囲われてある...
山下利三郎 「誘拐者」
...低い黒板塀(くろいたべい)が廻してあり...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
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