...5黒味を帶びた緑は日の影を濃くして...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...ぱつちりとした黒味勝の眼の底の...
石川啄木 「鳥影」
...黒味勝の眼が曇つたり晴れたり...
石川啄木 「天鵞絨」
...どうやら餘所のに比べて少し黒味が勝つたやうに思はれる...
薄田泣菫 「旋風」
...壮(わか)い漁師は小づくりな眼に黒味の多い細君(さいくん)の顔を眼前(めのまえ)に浮べながら歩いた...
田中貢太郎 「海嘯のあと」
...(夕) (朝)ぬた 味噌汁大根おろし 豆の煮たの菜葉汁 煮〆漬物 漬物(めずらしく精進料理)(川口在)黒味噌(赤にあらず)田舎には山羊を飼養している家が多い...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...又あの鼠を思はせるやうな黒味の拡がつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...相沢の黒味の多い眼はぢつと房一の顔をのぞきこみ...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...太空(そら)は一片の雲も宿(とど)めないが黒味わたッて...
永井荷風 「里の今昔」
...日向(ひなた)へ出して曝(さら)しておくうちに黒味(くろみ)が取れてだんだん朱(しゅ)の色が出て来ますから...
夏目漱石 「文鳥」
...黒味がかった青軸(あおじく)をほどよき距離に橋と渡して横に並べた...
夏目漱石 「文鳥」
...黒味を帯びた波の山脈が...
久生十蘭 「ノア」
...シチュウ鍋の図○本文の法にて煮たるものは最初樺色(かばいろ)にて一日二日を過ぐると次第に黒味を帯び来る...
村井弦斎 「食道楽」
...内部の深緑色(その晩は天鵞絨(びろうど)のような黒味をおびていた...
室生犀星 「幻影の都市」
...繻子(じゆす)の黒味の落ちついた昔の帯をきゆうと締め...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...また物恨むしつこさの黒味に移るいく盛り...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...白い菊と黄な菊と桃色のダリヤの間に葉鶏頭は黒味のある紅色をして七八本も立つて居る...
與謝野晶子 「帰つてから」
...骨組の木がすべて黒味がかつた丹色に塗られてゐる...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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