...この金箔(きんぱく)の黒ずんだ位牌に恐怖に近いものを感じていた...
芥川龍之介 「追憶」
...大きくなったね」まるで前の古藤の声とは思われぬようなおとなびた黒ずんだ声がして...
有島武郎 「或る女」
...黒ずんだ板の上を走つて...
有島武郎 「お末の死」
...額に入っていた黒ずんだ杉板の表面には...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...黒ずんだ金属製の...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...すべて黒ずんだ老舗(しにせ)である...
太宰治 「新樹の言葉」
...それが歩きにくい敷石と黒ずんだ塀と...
谷譲次 「踊る地平線」
...この上もなく黒ずんだ窓の傍でその署名を調べてみたりする...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...黒ずんだり閃めいたりする...
豊島与志雄 「裸木」
...老年になって次第に零落してゆく者の眼で変に黒ずんだ鋭い光りを放つのがある...
豊島与志雄 「微笑」
...其(そ)ればかりでなく黒ずんだ天井(てんじやう)と壁襖(かべふすま)に囲(かこ)まれた二階の室(へや)がいやに陰気臭(いんきくさ)くて...
永井荷風 「すみだ川」
...赤銅色(しゃくどういろ)に黒ずんだ面に...
中里介山 「大菩薩峠」
...最初にまず黒ずんだウォツカを注ぎ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...まぶしそうに目をつぶっている彼女の眼のまわりの黒ずんだ暈(くま)をいかにも痛々しそうに見やった...
堀辰雄 「菜穂子」
...そこでこの能弁家は、客の髪を、澄んだのと、黒ずんだのと、ふたとおりの液で洗った...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...黒ずんだ文人画の山水が掛っている...
森鴎外 「蛇」
...黒ずんだ緑に、灰がかつた青、陰気な常盤木(ときはぎ)ばかりが立て込んで春と云(い)ふ日を知らなんだ庭へ、永い冬から一足(いつそく)飛びに夏が来た...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...黒ずんだマロニエの木立(こだち)に白樺がまじつて居て落葉(おちば)の中に所所(ところどころ)水溜(みづたまり)が木の影を映して居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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