...さらに黒ずんだ波の穂が果てしもなく連なっていた...
有島武郎 「或る女」
...物蔭に置かれた黒ずんだ鉢に...
鈴木三重吉 「金魚」
...なんさつかの黒ずんだチェンバーズ百科辞典が並べてあった...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...それが歩きにくい敷石と黒ずんだ塀と...
谷譲次 「踊る地平線」
...黒ずんだ木の欄干が水の上に重り合って見える...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...焼け残りの黒ずんだ足が今も見えている...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...黒ずんだ緑の上に柔らかな緑を生じさせるものであるが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...黒ずんだ、磨きのかかった柱、茶室造りに似た天井――総て侘しく、床しい、古い香の高い部屋であった...
直木三十五 「南国太平記」
...黒ずんだメルトン地を背景に燦爛(さんらん)と耀(かが)やいている...
夏目漱石 「虞美人草」
...黒ずんだ葉に被(おお)われているその梢(こずえ)を見て...
夏目漱石 「こころ」
...いったいに黒ずんだ地味なつくりであった...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...三原山外輪山の瓦色の黒ずんだ沙漠に出ると...
林芙美子 「大島行」
...ただ果実の中央に軟(やわ)らかい黒ずんだ痕跡(こんせき)を存しているのみですんでいる...
牧野富太郎 「植物知識」
...頭の上には黒ずんだ青空に二...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...色の黒ずんだ硬(こわ)いのではいけません...
村井弦斎 「食道楽」
...袴(はかま)も檜皮(ひはだ)色の尼の袴を作りなれたせいか黒ずんだ赤のを着けさせられていて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...銀色に光る水が一筋うねっている側の黒ずんだ土の上に...
森鴎外 「佐橋甚五郎」
...まんなかがいくらか灰色の黒ずんだ四角もありました...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
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