...成程二脚の肘(ひじ)かけ椅子は黒ずんだ縁側(えんがわ)に並んでいた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...赤い間にところ/″\黒ずんだ椴松(とどまつ)二三本の異を點じ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...灰皿の上の黒ずんだ灰を――紙を焼いたらしい灰であるが...
海野十三 「地獄の使者」
...あの風雨にたゝかれて黒ずんだ汚点(しみ)のついた白壁とを突立ててゐるきりだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...何か黒ずんだ物がそのすきまから真黒な蛇のようにはいこんでくるのを見ると...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「とけない問題」
...街の黒ずんだ塵というよりは...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「蒼炎石」
...黒ずんだ五重塔が空に突き出ている...
豊島与志雄 「或る日の対話」
...枳殻(からたち)の垣が黒ずんだ枝の上に...
夏目漱石 「こころ」
...黒ずんだ長持を示した...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...はるかな距離をおいて黒ずんだ草の中に立っていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...彼のところから程遠からぬ三つの小さな黒ずんだ木の扉のどれかを通って逃げることもできた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...小さい黒ずんだ島がある...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...先祖の黒ずんだ肖像画が二枚かけてあったが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...そのときの疲労しつくした眼の下には黒ずんだ輪さえうかんで...
室生犀星 「香爐を盗む」
...黒ずんだ京都の町の家々を両岸に見つつ...
森鴎外 「高瀬舟」
...黒ずんだ牡丹(ぼたん)色の雲が裂けて...
山本周五郎 「山彦乙女」
...黒ずんだ紅玉(かうぎよく)の色の灯(ひ)...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...「――先生、池の魚は毎度鑑(み)ておいでらしいが、まだ大海の巨鯨は、この部屋で鑑たことがありませんね」すると、許子将は、学究らしい薄べったくて、黒ずんだ唇から、抜けた歯をあらわして、「豎子(じゅし)、何をいう! お前なんぞは、治世の能臣、乱世の姦雄(かんゆう)だ」と、初めて答えた...
吉川英治 「三国志」
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