...元(もと)より文壇不遇の士の黄白(くわうはく)に裕(ゆたか)なる筈なければ...
芥川龍之介 「骨董羹」
...こう云う風であるから真面目に熱心に斯道(しどう)の研究をしようと云う考えはなく少しく名が出れば肖像でも画いて黄白(こうはく)を貪(むさぼ)ろうと云うさもしい奴ばかりで...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...中央に八葉の蓮華を模した黄白の泥で塗った火炉があり...
直木三十五 「南国太平記」
...」思うに「二十世紀の最大問題はそれ殆ど黄白人種の衝突か...
中島敦 「斗南先生」
...巫臣は莫大な黄白を散じて...
中島敦 「妖氛録」
...臺地(だいち)の畑(はたけ)は黄白(くわうはく)相(あひ)交(まじ)つて地勢(ちせい)の儘(まゝ)になだらかに起伏(きふく)して鬼怒川(きぬがは)の土手(どて)に近(ちか)く向方(むかう)へ低(ひく)くこけて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...黄白(こうはく)の油をもって一世を逆(さか)しまに廻転せんと欲するものである...
夏目漱石 「野分」
...黄白青銭(こうはくせいせん)が智識の匹敵(ひってき)でない事はこれで十分理解出来るだろう...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...黄白(こうはく)に至りては精励(せいれい)克己(こっき)の報(むく)いとして来たるものは決して少なくなかろう...
新渡戸稲造 「自警録」
...黄白の菊の花が榮えて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こんなふうにばかりして生きて来たんです! ……どうせあたしは黄白混血児(ユウラジアン)さ! どっちみち...
久生十蘭 「キャラコさん」
...あわれな黄白混血児(ユウラジアン)...
久生十蘭 「キャラコさん」
...「老(ヒネ)タル栗ヲ用ヰ殻ヲ連ネテ晒乾シ稍皺バミタル時臼ニ搗(ツ)キテ殻及シブ皮ヲ去レバ則チ内黄白色ニシテ堅ク味甜ク美ナリ或ハ熱湯ニ浸シ及ビ灰ニシテ軟キヲ待テ食フモ亦佳シ或ハ食フ時一二顆ヲ用テ掌ニ握リ稍温ムレバ則チ柔ク乾果ノ珍物ト為ス也以テ嘉祝ノ果ト為スハ蓋シ勝軍利(カチクリ)ノ義ニ取リ武家特ニ之レヲ重ンズ」(漢文)と書いてあるが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...酒甕をもち歩を移してその波うつような黄白の色彩に目を注ぎながら...
山川方夫 「菊」
...人は黄白(こうはく)の前には...
山本周五郎 「青べか物語」
...またそれに支払う黄白(こうはく)も持たない」「私は代償などは求めません」と六郎兵衛はくいさがった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...武家の音物(いんもつ)や黄白(こうはく)を収入とするのが...
吉川英治 「新書太閤記」
...紅黄白紫のハンケチがいつも平土間(ひらどま)を埋めてい...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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