...元(もと)より文壇不遇の士の黄白(くわうはく)に裕(ゆたか)なる筈なければ...
芥川龍之介 「骨董羹」
...村役場を占領して村民誘拐の事務所とし黄白を散じて良民を惑乱し或ハ威嚇し...
田中正造 「非常歎願書」
...紅紫黄白(こうしこうはく)...
田中英光 「オリンポスの果実」
...春ならば黄白の菜の花薫る上野の盆地遠く展けて...
近松秋江 「伊賀、伊勢路」
...中央に八葉の蓮華を模した黄白の泥で塗った火炉があり...
直木三十五 「南国太平記」
...顏色の黄白を區別せざるを明確にした...
長岡半太郎 「原子核探求の思い出」
...」思うに「二十世紀の最大問題はそれ殆ど黄白人種の衝突か...
中島敦 「斗南先生」
...臺地(だいち)の畑(はたけ)は黄白(くわうはく)相(あひ)交(まじ)つて地勢(ちせい)の儘(まゝ)になだらかに起伏(きふく)して鬼怒川(きぬがは)の土手(どて)に近(ちか)く向方(むかう)へ低(ひく)くこけて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...黄白青銭(こうはくせいせん)が智識の匹敵(ひってき)でない事はこれで十分理解出来るだろう...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...黄白の菊の花が榮えて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...黄白(きじろ)い四角い顔の...
長谷川時雨 「遠藤(岩野)清子」
...こんなふうにばかりして生きて来たんです! ……どうせあたしは黄白混血児(ユウラジアン)さ! どっちみち...
久生十蘭 「キャラコさん」
...その仔虫は彼のいわゆる鉄砲虫(カミキリムシの仔虫)を極々小くしたような形ちで黄白色を呈し...
牧野富太郎 「植物記」
...笑面黄白色の身相...
南方熊楠 「十二支考」
...大枚の黄白を掛て出した者...
南方熊楠 「再び毘沙門に就て」
...山面を遠くから雲のやうに白く棚曳き降りて來た獨活(うど)の花の大群生が、湖面にまで雪崩れ込んでゐる裾を、黄白の野菊や萩、肉色の虎杖(いたどり)の花、女郎花と、それに混じた淡紫の一群の花の、うるひ、薊(あざみ)、龍膽、とりかぶと、みやまおだまき、しきんからまつ、――道はだんだん丈なす花のトンネルに變つて來る...
横光利一 「榛名」
...相応な黄白(こうはく)をもってご挨拶いたせば...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...紅黄白紫のハンケチがいつも平土間(ひらどま)を埋めてい...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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