...それは北京(ペキン)の柳や槐(えんじゅ)も黄ばんだ葉を落としはじめる十月のある薄暮(はくぼ)である...
芥川龍之介 「馬の脚」
...黄ばんだペエヂを繰つて見る事がある...
芥川龍之介 「本の事」
...自分で自分を愛してゐる黄ばんだ象牙(ざうげ)の額(ひたひ)の薔薇(ばら)の花...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...既に幾分か黄ばんだ葉を片側に付けた樹が見えてゐました...
江南文三 「佐渡が島から」
...暗い顔をして黄ばんだ森影を歩いてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...本話寒い風に黄ばんだ木の葉がばらばらと散っていた...
田中貢太郎 「不動像の行方」
...小さな座敷の窓にはの葉の黄ばんだのが蝋石のやうな光澤を見せ...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...畑の間を縫ふ小道の傍の處々に黄ばんだ榛の樹の梢も美しい...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...壁には黄ばんだ着色石版画が並び...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...黄ばんだ葉が蒼い冴えた空から力なさ相に竹の梢をたよってはらはらと散る...
長塚節 「太十と其犬」
...しばらく物も言わずに黄ばんだ女の顔を眺めていたが...
夏目漱石 「永日小品」
...肥った、かなりな年配の婦人で、黄ばんだ膚をし、額のあたりに巻いている真っ黒な巻毛を持っていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...黄ばんだ皮膚の色と小さな二つの眼とは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...英字新聞の黄ばんだのやら...
堀辰雄 「美しい村」
...日蔭には野いちごの蔓(つる)が黄ばんだ花をつけていた...
本庄陸男 「石狩川」
...胸は黄ばんだ海草の中から浮き出している海の水泡のように白かった...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...黄ばんだ夕方の光りは天窓からモアンの人々のこの小家へ...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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