...麦酒(ビイル)罎の向うに置いてある杯洗(はいせん)や何かの反射だつた...
芥川龍之介 「凶」
...芋を植ゑたり麦を刈つたり...
芥川龍之介 「一塊の土」
...狸(たぬき)小路のいきつけの蕎麦屋(そばや)にはいった...
有島武郎 「星座」
...風の日の麦踏遂(つい)にをらずなりぬ昭和七年二月十三日荻窪(おぎくぼ)...
高浜虚子 「五百句」
...まだに麦稈(むぎわら)のような夏帽子を被っている肥ったその男は...
田中貢太郎 「女の怪異」
...人形が動きだして畑を造え、それから種を蒔き、蕎麦が生え、蕎麦の実を粉にすると、人形を箱にしまい、その後で五個の餅を造えた...
田中貢太郎 「蕎麦餅」
...△酔如件――これで何もかも解消!・虫が火のなか声もろともに無くなつた・そばの花もうてふてふきてゐる・さびしさにたへて草の実や・さびしい手が藪蚊をうつ・月夜風呂たく麦わらもにぎやかに燃えて・宵月ほつかりとある若竹のさき七月廿三日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...正夫は新しい麦稈帽子に白地の絣...
田山録弥 「磯清水」
...そこは粟餅、きび飯、馬鈴薯、蕎麦、豆などより他に食うことの出来ないような処であった...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...麦の束が描いてありました...
林芙美子 「シベリヤの三等列車」
...それから向うの麦畑のなかに一本の梨(なし)の木が真白に花をつけていた...
原民喜 「永遠のみどり」
...キエはバスケツトをさげて、麦畑の畦道を、男に遅ればせに歩いてゐた...
牧野信一 「滝のある村」
...麦は枯れても野外の緑はまだそれほど暑くるしくはない...
三好達治 「ケシの花」
...居酒屋とか蕎麦(そば)屋などで一杯やる癖がついた...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...麦餅や、麹飴(こうじあめ)などつつんで、「甚助、菓子やろう」と寄って来る...
吉川英治 「剣の四君子」
...麦がよく伸びる頃の昼間の月に...
吉川英治 「剣の四君子」
...味噌を塗った麦餅の干板(ほしいた)とかいうような物を除いては...
吉川英治 「源頼朝」
...おそらくこの画は全体の構図と個々の麦の忠実な写生とからできたものであろう...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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