...矢來を破壞して又蕎麥店を開く...
大町桂月 「近藤重藏の富士山」
...それから、も一つは、蕎麥(そば)と玉蜀黍(とうもろこし)を人間が常用食にして呉れると、一國の經濟が非常に助かるといふ説も出で、これには贊成もあり、反對もあつたが、蕎麥は知らぬが、玉蜀黍の方は今は亞米利加(あめりか)の常食だ...
塚原蓼洲 「兵馬倥偬の人」
...有合の飯は麥八分に米二分であつた...
長塚節 「壹岐國勝本にて」
...麥は夜中から搗きはじめて朝になれば各八斗の量を搗きあげる...
長塚節 「芋掘り」
...此の如き間に在つて麥の穗のみは悲しい色を浮べつゝある...
長塚節 「おふさ」
...さう思へば蕎麥の花の中には焦げた木が所々立つて居る...
長塚節 「佐渡が島」
...過去(くわこ)の苦(くる)しかつた記念(きねん)である其(そ)の缺乏(けつばふ)した米(こめ)や麥(むぎ)を日(ひ)毎(ごと)に消耗(せうまう)して行(ゆ)くのである...
長塚節 「土」
...彼等(かれら)の手(て)には饂飩(うどん)の大(おほ)きな笊(ざる)と二升樽(しようだる)とそれから醤油(しやうゆ)の容器(いれもの)である麥酒罎(ビールびん)とが提(さ)げられた...
長塚節 「土」
...蕎麥(そば)は短(みじか)く切(き)れるとて何處(どこ)でも厭(いと)うた...
長塚節 「土」
...さうすると麥(むき)を刈(か)つた跟(あと)の菽(まめ)や陸穗(をかぼ)が渇(かつ)した口(くち)へ冷(つめ)たい水(みづ)を獲(え)た樣(やう)に勢(いきほひ)づいて...
長塚節 「土」
...おつたは稍(やゝ)褐色(ちやいろ)に腿(さ)めた毛繻子(けじゆす)の洋傘(かうもり)を肩(かた)に打(ぶ)つ掛(か)けた儘(まゝ)其處(そこ)らに零(こぼ)れた蕎麥(そば)の種子(み)を蹂(ふ)まぬ樣(やう)に注意(ちうい)しつゝ勘次(かんじ)の横手(よこて)へ立(た)ち止(どま)つた...
長塚節 「土」
...「挽割麥(ひきわり)もやつたらよかんべな」おつぎは又(また)いつた...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)は自分(じぶん)の麥(むぎ)を蒔(ま)くべき畑(はたけ)の用意(ようい)がまだ十分(ぶん)でないことを思(おも)つた...
長塚節 「土」
...夜泣蕎麥(そば)を二杯も喰へるだらうか」「膽の据つた野郎だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いつかの麥藁帽子の匂ひを思ひ出した...
堀辰雄 「麥藁帽子」
...これは兩手の麥酒を側に居るおりかに渡し...
水上滝太郎 「大阪の宿」
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三好達治 「一點鐘」
...麥湯の熱いのも沸かしてくれてゐた...
室生犀星 「めたん子傳」
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