...直ちに又麥と菜種との畑に入つた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...行手の堤の蔭には不格好に尨大な黒ずんだ建物がごつちやになつて平らな麥畑の中に建つてゐた...
有島武郎 「幻想」
...「こんな堅(かた)い蕎麥(そば)が食(く)はれるかい...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...是(これ)は麥酒(ビール)と...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...矢張り味噌汁や何かへぶち込んで蕎麥掻のやうにして喫べる...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...麥飯の液(オモユ)を飮用せしめたるに...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...農家の庭に桃の花さき、畠に麥青く、菜の花また佳(よ)し...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...空を遙かに飛ぶ時に麥搗は杵持つ手の右と左を持ち換へながら今日も日和だと叫ぶ...
長塚節 「芋掘り」
...夫婦(ふうふ)と乳呑兒(ちのみご)と三人(にん)の所帶(しよたい)で彼等(かれら)は卯平(うへい)から殼蕎麥(からそば)が一斗(と)五升(しよう)と麥(むぎ)が一斗(と)と...
長塚節 「土」
...歳(とし)の首(はじめ)といふので有繋(さすが)に彼(かれ)の家(いへ)でも相當(さうたう)に餅(もち)や饂飩(うどん)や蕎麥(そば)が其(そ)の日(ひ)/\の例(れい)に依(よつ)て供(そな)へられた...
長塚節 「土」
...一日(にち)の餌料(ゑさ)としておつぎに煮(に)させた麥(むぎ)を笊(ざる)へ入(い)れて...
長塚節 「土」
...おつぎは蕎麥(そば)の手(て)を放(はな)して小走(こばし)りに驅(か)けて行(い)つた...
長塚節 「土」
...「俺(お)ら家(ぢ)の麥(むぎ)は今(いま)ん處(ところ)ぢや村落(むら)でも惡(わる)かねえんだぞ...
長塚節 「土」
...青薦の麥野をよぎて...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...畑の 麥が 刈られた 明るい 晝で ありました...
新美南吉 「うまれて 來る 雀達」
...確かに蕎麥を三つ取つたと言ふんで――」「フーム」平次の見當は見事に當りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ああ 人生はどこを向いてもいちめんに麥のながれるやうで遠く田舍のさびしさがつづいてゐる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...○ノムギ信州から飛騨に越える野麥峠の地名なども...
柳田國男 「食料名彙」
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