...狹い小路の奧の蕎麥屋へ上つた...
石川啄木 「病院の窓」
...麥酒罎だのと色々綽名をつけて...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...行儀よく立竝んだ麥の穗並が...
薄田泣菫 「旋風」
...矢張り味噌汁や何かへぶち込んで蕎麥掻のやうにして喫べる...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...軛を附けて農場の 495床に小麥を踏み行けば...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...何かその邊で蕎麥でも食はうぢやないか...
徳田秋聲 「媒介者」
...蕎麥の風味が好い...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...田舍の正月が近づいたので其用意に蕎麥や小麥や蜀黍の粉を挽くのである...
長塚節 「芋掘り」
...横にさす光は麥の葉をかすつて赭い櫟の林が一しきり輝いた...
長塚節 「芋掘り」
...麥は夜中から搗きはじめて朝になれば各一石の量を搗きあげる...
長塚節 「寫生斷片」
...百姓(ひやくしやう)は馬(うま)や荷車(にぐるま)を駈(か)つて刈(か)り倒(たふ)した麥(むき)をせつせと運(はこ)ぶ...
長塚節 「土」
...只(たゞ)さうして居(ゐ)る間(うち)に舊暦(きうれき)の年末(ねんまつ)が近(ちか)づいて何處(どこ)の家(うち)でも小麥(こむぎ)や蕎麥(そば)の粉(こ)を挽(ひ)いた...
長塚節 「土」
...横(よこ)に轉(ころ)がした臼(うす)を前(まへ)に据(す)ゑて小麥(こむぎ)を攫(つか)んでは穗先(ほさき)を其(そ)の臼(うす)の腹(はら)に叩(たゝ)きつけると種(たね)がぼろ/\と向(むかふ)へ落(お)ちる...
長塚節 「土」
...米(こめ)には挽割麥(ひきわり)が交(まじ)つて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...貝殼の碎けが白く散らばつた麥畑を過ぎて短い枯草の小道から小松林を出ると濱である...
長塚節 「濱の冬」
...なたねなの花は川邊にさけど遠望の雪午後の日に消えやらず寂しく麥の芽をふみて高き煉瓦の下を行くひとり路上に坐りつつ怒りに燃えこの故郷(ふるさと)をのがれいでむと土に小石を投げあつる監獄署裏の林より鶫ひねもす鳴き鳴けり(滯郷哀語篇より)...
萩原朔太郎 「早春」
...どうせ自分なんぞは……麥畑を通りすぎた...
堀辰雄 「おもかげ」
...道ばたの蕎麥の畑から山鳩が飛んだ...
水上瀧太郎 「山を想ふ」
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