...飛んだお嫁さんが舞ひ込んで……蕎麥でも配らなけりやいけないのか知らん」而して其の最後の蕎麥の事は稍眞面目で云つたのであつた...
有島武郎 「半日」
...夕飯の代りに蕎麥屋へ行つていろんな物を喰つて歸つて來たが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...唯熟したる麥の田は黄金海(わうごんかい)と連なりて...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...フラマンの小麥船...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「醉ひどれ船」
...こゝにて番頭の攜へし麥酒を一同の口に分てり...
大町桂月 「鹽原新七不思議」
...日ざしは麥の穗にしらみ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...近所の酒屋からとつて來てあつた新鮮な麥酒を呑んだ...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...黒松内(くろまつない)で停車蕎麥を食ふ...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...二三寸芽を出してゐるのは麥でせう...
永井荷風 「畦道」
...麥藁が一杯に敷かれて蔓は其褥を這うて居ます...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...茄子(なす)だけは遠(とほ)い畑(はたけ)の麥(むぎ)の畦間(うねま)へ植(う)ゑた...
長塚節 「土」
...俺(お)ら此處(ここ)へ來(き)た當座(たうざ)にや病氣(びやうき)ん時(とき)でもからつき挽割麥(ひきわり)ばかしの飯(めし)なんぞおん出(だ)されて...
長塚節 「土」
...夏蕎麥の幹うつとて下部の庭にたちて振まふをうちながめつゝ柄臼を横さにたてゝうつ蕎麥のこぼれて飛ぶをみつゝおもしろをちこちに麥うつおと頻りにきこゆるにとなりやに麥はうてども藪こえて埃もこねばおもしろに聞く連枷(からさを)のとゞろ/\に挨たて麥うつ庭の日車の花日のうちは暑さに疲れをおぼゆれども...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...春の麥畑へ鳩のおりたのを見掛けてエヘンと咳をすると鳩が驚いて首を擡(もた)げる...
長塚節 「菠薐草」
...麥畑や桃圃はあつても...
長谷川時雨 「春宵戲語」
...麥藁帽子のにほひだ...
堀辰雄 「麥藁帽子」
...先生は麥酒(ビール)を飮んでゐるのに...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...其處の蕎麥屋で改めて別杯を酌んで綺麗に三方に別れ去らうではないか...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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