...戀のおほくが眠つてる蘭麝(らんじや)に馨(かを)る石の唐櫃(からうど)……オフェリイ姫はなつかしや...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...麝香猫(じやかうねこ)のやうな香(にほひ)がぷん/\する...
薄田泣菫 「茶話」
...麝香と竜涎香の手紙は...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...それは麝香めいた香(にお)いにかかわらず...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...まったくプリゴネ液と麝香草との作用なのでありますから...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...蘭麝(らんじゃ)の香が四辺(あたり)に漂っているのも感じられた...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「織成」
...それは麝香のやうな香のある強烈な酒であつた...
田中貢太郎 「雑木林の中」
...蘭麝(らんじゃ)の香をむんむんとさしながら公主が出て来た...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「蓮花公主」
...薔薇と麝香のさかんな匂(にほひ)...
ボードレール 富永太郎訳 「計画」
...とうおいらが持つのは一人の神様一人の王様たった一文(いちもん)に靴片方麝香草(じゃこうそう)に露の玉朝っぱらから飲んだくれ二羽の雀は満腹ぷうばっしいにはじい...
中里介山 「大菩薩峠」
...麝香鹿(じゃこうじか)の牡がどうの...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...鴉毛の婦人やさしい鴉毛の婦人よわたしの家根裏の部屋にしのんできて麝香のなまめかしい匂ひをみたす貴女(あなた)はふしぎな夜鳥木製の椅子にさびしくとまつてその嘴(くちばし)は心臟(こころ)をついばみ瞳孔(ひとみ)はしづかな涙にあふれる夜鳥よこのせつない戀情はどこからくるかあなたの憂鬱なる衣裳をぬいで はや夜露の風に飛びされ...
萩原朔太郎 「青猫」
...香料の麝香(じゃこう)には金幾両が投じられるかわからなかった...
長谷川時雨 「勝川花菊の一生」
...麝香草の香い諸地の山中にはジャコウソウと称する宿根草があって...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...その事に触れれば麝香の香いがする(attactu odori moschati)という事柄に基づいてこれを用いた訳だ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...ただ麝、麝鼠、麝牛、霊猫、海狸(ビーヴァー)等の体より分泌する諸香に遠く及ばねど、諸獣の胆や頑石や牡具の乾物も多少その用に充(あ)て得と言い置く...
南方熊楠 「十二支考」
...麝香(じゃこう)の茵(しとね)に横臥することもできます...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...お見事な絵を遊ばしますこと……」麝香(じゃこう)を噛んだような女の息を...
吉川英治 「剣難女難」
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