...きょう嶽麓(がくろく)へ出かける途中...
芥川龍之介 「湖南の扇」
...赤熱(せきねつ)した噴出物(ふんしゆつぶつ)を以(もつ)て山麓(さんろく)にある小都會(しようとかい)サンピール市(し)を襲(おそ)ひ...
今村明恒 「火山の話」
...すなわちこの一歩一歩は富士の山麓から山頂までつづけられる努力であって...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...爽(さわ)やかな山麓(さんろく)の秋の空気を深々と吸い...
谷崎潤一郎 「細雪」
...・今日のよき日の柿若葉なり石ころに陽がしみる水のない川はじめて天龍を、つんばくろとびちがふ・若葉ふかく山のむかうから流れくる・老いては旅は寝ざめがて(マヽ)なる水音ぞ四月三十日晴、曇、雨、秋葉山麓...
種田山頭火 「旅日記」
...また低い山麓をめぐつて通つて行く……小さい滝がけたゝましい音を立てゝ路に沿つた高い崖から落ちてゐる……石に砕けた水が白く凄じく音を立てゝ流れ落ちる……もう日が暮れかけてゐる...
田山録弥 「百日紅」
...山麓の森林中で道に迷い...
豊島与志雄 「浅間噴火口」
...ソロソロと屏風の麓を抜き足して歩き出したのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...近く火山の灰を降らしたるより麓に達する間...
長塚節 「草津行」
...手足をひろくのばして麓いちめんに這ひつたさびしくおそろしい闇夜であるがうがうといふ風が草を吹いてる 遠くの空で吹いてる...
萩原朔太郎 「青猫」
...たかが浅間山の麓(ふもと)で...
堀辰雄 「雉子日記」
...二本(ふたもと)の梅に遅速を愛すかな麓(ふもと)なる我蕎麦存す野分かなの「愛すかな」「存す野分」の連続の如き夏山や京尽し飛ぶ鷺(さぎ)一つの「京尽し飛ぶ」の連続の如き蘭夕(ゆうべ)狐のくれし奇楠(きゃら)を(たか)んの「蘭夕」の連続の如き...
正岡子規 「俳人蕪村」
...その麓(ふもと)の谿間にこの巨刹(きょさつ)が休んでいる...
柳宗悦 「全羅紀行」
...(郷土研究二編)戸隠の山の麓(ふもと)の裾花(すそばな)川の岸には...
柳田國男 「日本の伝説」
...同じ信州でも白馬山の麓(ふもと)のあたりでは...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...はるか麓(ふもと)まで押し流れて行く...
吉川英治 「私本太平記」
...息を喘(せ)いて上ってゆくのは叡山(えいざん)の麓(ふもと)だった...
吉川英治 「親鸞」
...片側だけが麓の遊行寺の門前まで...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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