...今鶏箱(とりばこ)から雛(ひな)を出して追い込みに入れている...
伊藤左千夫 「奈々子」
...群鶏の一鶴となるのは敢えて至難のことではない...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...性質(たち)のよくない鶏(とり)とたゞで取替へてやることを申出た...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...小屋から鶏まで世話してくれたのだとか...
豊島与志雄 「鳶と柿と鶏」
...鶏の声は、暁と、平和のほかには響かない...
中里介山 「大菩薩峠」
...貧しげな野菜畑と大きな鶏小屋があつた...
原民喜 「潮干狩」
...鶏頭、葉鶏頭、かゝやくばかりはなやかなる秋に押されて萩ははや散りがちなりしもあはれ深し...
正岡子規 「小園の記」
...けだし鬼の足は鶏の足のようだからだ...
南方熊楠 「十二支考」
...余り久しく飼えば猫又(ねこまた)に化け「猫じゃ猫じゃとおっしゃりますな、アニャニャニャンノニャン」と謡い踊るというごとく、晋時支那では、鶏を三年、犬を六載以上飼わず、白い犬鶏は必ず食わぬものでこれを食えば冥罰(みょうばつ)を受くると信じたのだ...
南方熊楠 「十二支考」
...万人競うて金鶏柱下の土を少しく取り佩(お)ぶれば...
南方熊楠 「十二支考」
...やがて家々鶏なくころ...
宮崎湖処子 「空屋」
...○鶏卵の尖りたる部に小さき気孔あり...
村井弦斎 「食道楽」
...鶏卵は常に胴の側面へ指をかけて取扱うべし...
村井弦斎 「食道楽」
...二番鶏(にばんどり)の鳴くころであった...
森鴎外 「最後の一句」
...今や引き出さんとするときまた鶏啼く...
柳田国男 「遠野物語」
...両腕を羽ばたいて鶏のなき声をしたりした...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...海の霧旅順の山にひろがれば虚空にありぬ白玉(はくぎよく)の塔霧しろく鶏冠山をかき消しぬ軍(いくさ)のけぶり匍ひし世のごと咽(むせ)びつつ杜鵑(とけん)昼啼きこだましぬ鶏冠山のくづれたる廊(らう)かなしみて鶏冠山を下(くだ)りきぬ勝つこともまた傷ましきかな荒き霧旅順の口の岩かどを真白く消して我船を吹く伊藤眞吉...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...いっそ、頭を前へ突き出し、鶏小舎めがけて、いいかげんに駈(か)け出したほうがましだ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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