...裏の杉林で三四羽の鴉が暮色をせきたてるように啼くのがきこえた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
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種田山頭火 「行乞記」
...窓へのぞいて柿の若葉よ播いてゐるときほとゝぎす・ほとゝぎすがなけば鴉も若葉のくもり身のまはりかたづけてさみしいやうな仲よく空から梅をもいでは食べ・伸びぬいて筍の青空・あてなくあるくや蛇のぬけがらどうしても寝つかれないで...
種田山頭火 「行乞記」
...鴉(からす)や鳶(とび)のやうに翔(かけ)ったがよからう...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...まだ光の弱い太陽を見詰めたが金の鴉も黒点も見えない...
寺田寅彦 「窮理日記」
...劈(つんざ)くような無数の海鴉(ロッペン)の鳴声と交錯し...
久生十蘭 「海豹島」
...大鴉(レベン)といえどもやはり生あるものだから...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
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逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
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穂積陳重 「法窓夜話」
...まだ鴉や虫がつく頃でもないのに如何したのかしら? と祖母は...
牧野信一 「蔭ひなた」
...都鴉は浪のやうに啼き雀は貝殻のやうに啼き自動車は帆前船のやうにも啼くそれらみな海をつくりてゆふぐれの都の空にて啼く島国少年は柳に...
三好達治 「測量船拾遺」
...1町の鴉(からす)「ピツコロさん...
村山籌子 「〈ピツコロさん〉」
...黒い嘴細鴉(はしぼそがらす)がばたばたと飛んで澄み切つた空高く升(のぼ)る...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「不可説」
...お作どんが景気付いたぞい」「今啼(な)いた鴉(からす)がモウ笑ろた...
夢野久作 「斜坑」
...葉を落し尽した梢の枝に鴉が一羽とまっていた...
横光利一 「旅愁」
...明るくなってきた」「明け鴉が啼いた...
吉川英治 「大岡越前」
...森にはよくいう天王寺鴉(てんのうじがらす)が何万となく棲息していて...
吉川英治 「私本太平記」
...彼奴等だナ』と私はその鴉を見た...
若山牧水 「鴉と正覺坊」
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