...棗の実を食(は)み落す鴉(からす)の声が...
芥川龍之介 「或敵打の話」
...鴉(からす)のやうな声で...
芥川龍之介 「煙草と悪魔」
...何処(どこ)からか飛んで来た鴉(からす)が二三羽...
芥川龍之介 「東洋の秋」
...鴉(からす)の啼くような声が...
芥川龍之介 「羅生門」
...わたしの今の話を聴取ることが出来るだろう――今ちょっとあの鴉をお前の墓の上へ飛ばせて御覧」そよ風はもう歇(や)んだ...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...ある夜は鴉金屋(からすがねや)の親爺に罵(ののし)られて(彼が今にいたるまで鴉金の名称を忘れずにゐるとは何と云ふ因果なことであらう...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
......
種田山頭火 「行乞記」
...柿若葉その家をたづねあてた(樹明居)逢へたゆふべの椿ちりをへてゐる地肌あらはなたそがれの道でこんやはここで寝る鉄瓶の鳴る(呂竹居)壁に影する藺の活けられて・ふるさとの夜がふかいふるさとの夢すゞめがおぢいさんがもうおきた・けさの風を入れる□赤いのは楓です(即興追加)・水音のクローバーをしく身にせまり啼くは鴉また鴉がなく旅人われに五月十日晴...
種田山頭火 「行乞記」
...・落葉ふんでどこまでも落葉・雑草もみづりやすらかなけふ・木枯の身を責めてなく鴉であるか・冬の夜ふかく煙らしてゐる・寒うをれば鴉やたらにないて・けさは雪ふる油虫死んでゐた一月十五日霜...
種田山頭火 「其中日記」
...鴉黄(あおう)に上(のぼ)る初月は即ち新月であって...
中里介山 「大菩薩峠」
...其処に立つて居る一簇の老松の梢には夕方になれば鴉が四方から聚つて鬱陶しい雨に打たれながら騒ぐ...
長塚節 「隣室の客」
...不二洋子のも「旅鴉お妻やくざ」てので...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ラランとよぶ一羽(は)の鴉(からす)が棲(す)んでゐた...
逸見猶吉 「火を喰つた鴉」
......
三好達治 「寒林小唱」
...すくんだような眼いろをしている仔鴉を見ながら清子は良人を思い出した...
矢田津世子 「茶粥の記」
...おのれも鴉(からす)の餌食(えじき)だぞ」「なにを...
吉川英治 「江戸三国志」
...ピッピキ トッピッピ竹童(ちくどう)ちッぽけ ちッぱッぱ鷲(わし)を盗(と)られて ちッぱッぱとられる半間(はんま)に盗(と)る利口(りこう)鴉(からす)がないても おら知らねえ竹童(ちくどう)ちッぽけ ちッぱッぱピキ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...鴉(からす)の群れがパッと立つ...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索