...鴉片(アヘン)も半ばは公然と...
芥川龍之介 「上海游記」
...鴉(からす)の鳴くのをきょろきょろ聞いて...
泉鏡花 「海異記」
...古鳥(ふるどり)」の鳥類の惡魔か分らないやうな眞ツ黒なおほ鴉が闇の外から飛んで來て...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...顔は三月の女鴉(をんなからす)のやうに憂欝にしづみ...
大手拓次 「藍色の蟇」
...実際雑音のやかましさが、静虚な心境を楽しむものや、思惟の生活を愛するものにとつて、憎むべき鼠であり、鴉であり、また虎であることについては、私が殊更めかしてここに言はなくとも、むかしの詩人が夙(はや)くからいつてゐる...
薄田泣菫 「独楽園」
...『鴉啼迄寝た枕元櫛の三日月落ちて居る』お髪サンは床を延べてしまつて...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...鴉の友達に御馳走をした...
田中貢太郎 「竹青」
...・つめたさの歯にしみる歯をいたはらう・冬山へつきあたり焚火してある・寒い水からいもりいつぴきくみあげた寒い寒い指を傷づけた・たま/\逢へて火を焚いて火を焚いて来るべきものを待つ鴉ないて待つものが来ないけさは郵便がおそい寒ぐもり・新聞つめたし近眼と老眼がこんがらがつて・冬草もほどよう生えて住みなれて・くもりさむい肥をあたへるほうれんさう一月廿二日冷たい...
種田山頭火 「其中日記」
...誰かわざわざ鴉にそうした芸当をさせるために骨を折って何かしら鴉の注意に働きかけているのかもしれないのである...
寺田寅彦 「鴉と唱歌」
...醍醐(だいご)から宇治の方面へ夕暮の鴉(からす)が飛んで行く...
中里介山 「大菩薩峠」
...鴉黄(あおう)に上る……を口ずさんでおいでのを承りましたよ」「そうでしたか...
中里介山 「大菩薩峠」
...浪の噛(か)む切立(きった)ち岩の上に巨巌(きょがん)を刻んで地から生えた様なのが夜鴉の城であると...
夏目漱石 「幻影の盾」
...女は長い睫(まつげ)の奥に漾(ただよ)うているような眼で鴉を見詰めながら「あの鴉は五羽います」といったぎり小供の問には答えない...
夏目漱石 「倫敦塔」
...符合した処も幾干(いくばく)か有るが鷺(さぎ)を鴉(からす)と言ひ黒めた処も尠なからぬ...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...「大鴉」からその音響を除いてしまへば...
萩原朔太郎 「詩の翻訳について」
...烏が旅鴉をいぢめるやうに...
萩原朔太郎 「非論理的性格の悲哀」
...鴉のやうなわらひ聲を擧げて...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...寒鴉(かんがらす)のようにとまった男...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索