...冬木のすがれの下の木のようにさやさやと鳴り渡る...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...天才の手に触れて始めて鳴り渡る弦をそなえた大琴を作らんことを祈る...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...春の寺パイプオルガン鳴り渡る四月三十日 シエクスピア菩提寺(ぼだいじ)...
高浜虚子 「五百五十句」
...太きは瀧津瀬(たきつせ)の鳴り渡る千萬の聲...
高山樗牛 「瀧口入道」
...寺々の鐘が鳴り渡ると爆竹がとどろいてプロージット...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...サルピンクスの音を以て大空高く鳴り渡る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...私の作品の囲壁に沿って鳴り渡るその反響に気づいてくれた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...カーン」鐘は幾年ぶりに浦上の丘の上を鳴り渡る...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...地にわめく人の叫びを小癪(こしゃく)なりとて空一面に鳴り渡る...
夏目漱石 「幻影の盾」
...ガラ/\といふ音と直ぐ傍で鳴り渡る轟きが聞えた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...カラカラと鳴り渡る銀(しろがね)の噴泉...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...曳哉/\と叫ぶ掛声ばかりが水車の騒ぎよりも壮烈に鳴り渡るばかりで...
牧野信一 「バラルダ物語」
...いとも厳かに鳴り渡るのである...
牧野信一 「バラルダ物語」
...今や朝(あした)の霞を衝いて津々浦々までも鳴り渡るあの明朗至極なるラヂオ体操を見ても明らかの如く...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...砕くるばかりに鳴り渡る...
夢野久作 「白髪小僧」
...風はまた一しきり勝利の聲をあげて鳴り渡る...
吉江喬松 「山岳美觀」
...ジジジジジジジジッ……とけたたましく鳴り渡る...
吉川英治 「神州天馬侠」
...といふ異樣な音響が四方の空に鳴り渡るのを聞いた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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