...――と思ふと鳧(けり)が一羽...
芥川龍之介 「山鴫」
...鳧舞(けりまひ)原野を過ぎ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
......
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...裏に鳧(ふ)を飼い門に舟を繋(つな)ぐ江湖の住居...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「お前の名はなんというんだい?」わたしは少しも早く鳧(けり)をつけようと思って...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...風呂吹に酒一斗ある夜の会 木犀風呂吹や尊き親に皿の味噌 其北風呂吹を食へば蕎麦湯(そばゆ)をすすめ鳧(けり)陽山風呂吹の賛宏大になりにけり 平五郎ここで句会を催した逸興であるらしいが...
中里介山 「大菩薩峠」
...一時間ばかりしてまた電話が来て「今のはデマだったそうだから」という話で鳧(けり)がついた...
中谷宇吉郎 「流言蜚語」
...二人でわずか十時間ばかりで鳧(けり)をつけてしまった...
久生十蘭 「地底獣国」
...絶望した十人ばかりの兵隊がみずからの運命に鳧(けり)をつけるために筏の破壊を企てた...
久生十蘭 「ノア」
...若者はそれなり鳧をつけてしまふのが業腹(ごふはら)だつたと見えて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...何もかも鳧をつけてしまはにやなんねえだよ!」パラースカは家の閾を跨ぐがはやいか...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...「トいう訳でツイそれなり鳧(けり)にしてしまいましたがネ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...これを一大事にして隠しける九乳(きゆうにゆう)の鳧鐘(ふしよう)も...
南方熊楠 「十二支考」
...欧州中古石(かめのて)が鳧(かも)になると信じわが邦で千鳥が鳥貝や玉(たいらぎ)に化すと言うごとく蛤類の肉が鳥形にやや似居るから生じた迷説だが...
南方熊楠 「十二支考」
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三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...「帰程忽及大猪水、水阻始通灘猶駛、渉夫出没如鳧、須臾出険免万死」の初四句は、当時渉河(せふか)の光景を写し出して、広重の図巻を展(の)ぶるが如くである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...古(いにしえ)万福寺の鳧鐘(ふしょう)を鋳ると伝え(作陽志)...
柳田國男 「地名の研究」
...学問的な解明でも鳧(けり)はつかない...
吉川英治 「随筆 新平家」
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