...しまめもわからぬ鳥打ち帽子をかぶっています...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...」時ちゃんは吉さんの鳥打ち帽子の内側をクンクンかぎながら...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...彼の欄などには――休暇中朝食を執りたること無き由、とか、C、D、E、F等と巧みなる変装を凝らして、活動常設電気館に数回出入(月日等々)、Cは印絆纏、鳥打ち帽子、Dは口鬚、眼鏡、Eは某大学生を装ひ、タキノは、漁夫の祝着なるマヒハヒを着し頬かむりをなし、Fは自働車運転手等云々、とか、馬食会なるものを組織し、順次、父兄の留守宅に集会し深更まで喧噪を極め、或ひは(×月×日夜)西洋料理店万歳軒に集合、(×月×日夜)そば店盛々庵、(×月×日夜)汁粉店松月の奥座敷に集合し、当店職業用の今川焼器を各自使用し、乱脈を極め当主人迷惑す、(×月×日夜)自転車数台、サイドカー附自働自転車一台を駆りて字栗橋街道に至り附近の畑より甘藷、西瓜等を盗み、深更海岸に屯ろしてビールの満を引き、馬食会万歳を連呼せり云々、とか、彼等の日誌は、新学期開始前三日、天候のみを某学生の日誌より写し、××家の空家に集合し徹宵夫々相謀りて作成せるもの也、などゝいふことまで記述してあつた...
牧野信一 「貧しき日録」
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