...コノシロとか鰺とか...
石川欣一 「比島投降記」
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高浜虚子 「五百句」
...木造から、五能線に依つて約三十分くらゐで鳴沢、鰺ヶ沢を過ぎ、その辺で津軽平野もおしまひになつて、それから列車は日本海岸に沿うて走り、右に海を眺め左にすぐ出羽丘陵北端の余波の山々を見ながら一時間ほど経つと、右の窓に大戸瀬の奇勝が展開する...
太宰治 「津軽」
...かう書きながら、私は幽かに苦笑してゐるのであるが、深浦といひ鰺ヶ沢といひ、これでも私の好きな友人なんかがゐて、ああよく来てくれた、と言つてよろこんで迎へてくれて、あちこち案内し説明などしてくれたならば、私はまた、たわいなく、自分の直感を捨て、深浦、鰺ヶ沢こそ、津軽の粋である、と感激の筆致でもつて書きかねまいものでもないのだから、実際、旅の印象記などあてにならないものである...
太宰治 「津軽」
...皿の上には約二寸程の長さの小鰺が十二三匹は載っていた筈だが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...鰺も鰯も夏の間は長さ一寸(いっすん)ぐらゐのもので...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...」「もう明日から鰺買ふのん止めにせう...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...鰺はうまいし焼酎もわるくない...
種田山頭火 「行乞記」
...昔ならバケツ一杯五銭ほどの小鰺やおせんころしを...
壺井栄 「瀬戸内の小魚たち」
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永井荷風 「自選 荷風百句」
...鰺(あじ)に似たもの...
中島敦 「環礁」
...此の外に、透きとほらんばかりの淡い色をした・鮎に似た細長い魚や、濃緑色のリーフ魚や、ひらめの如き巾の廣い黒いやつや、淡水産のエンヂェル・フィッシュそつくりの派手な小魚や、全體が刷毛の一刷(ひとはき)の樣に殆ど鰭と尾ばかりに見える褐色の小怪魚、鰺に似たもの、鰯に似たもの、更に水底を匍ふ鼠色の太い海蛇に至る迄、其等目も絢(あや)な熱帶の色彩をした生物どもが、透明な薄翡翠色の夢の樣な世界の中で、細鱗を閃かせつゝ無心に游優嬉戲してゐるのである...
中島敦 「環礁」
...鰺にとっては、太陽光は白色光ではないのである...
中谷宇吉郎 「海底の散歩」
...例えば鰺の一種でしま鰺というのは菱形であり...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...与一は皿(さら)の上に白く残った鰺の残骸(ざんがい)を見て驚いたように笑った...
林芙美子 「清貧の書」
...ボンベタークという西洋の魚か鰺(あじ)の干物(ひもの)のような魚類をむしって小さくしたものか...
村井弦斎 「食道楽」
...それは新しき鰺を三枚におろし骨ともに湯煮て身ばかりを細かにほごし別にフライ鍋へバターを溶かしコルンスターチを入れていため鰺の湯煮汁と牛乳との半々を加えて薄き白ソースを作り塩胡椒にて味を付け前の身を入れ能(よ)く混ぜ合せて二十分間煮るなり...
村井弦斎 「食道楽」
...湯煮玉子一個を竪(たて)に六ツに切り一々前の鰺へ巻込みテンパンへ並べバターを載せて十分間テンピにて焼きそのままにても...
村井弦斎 「食道楽」
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