...横浜出航以来夫人から葉子が受けた暗々裡(あんあんり)の圧迫に尾鰭(おひれ)をつけて語って来て...
有島武郎 「或る女」
...嘘(うそ)に尾鰭(おひれ)を付けて...
太宰治 「女の決闘」
...中には尾鰭(おひれ)の長さ五寸以上のものもあり...
太宰治 「新釈諸国噺」
...どんな尾鰭(おひれ)を付けて取沙汰せぬとも限らなかったであろう...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...尾と鰭で強く水面を叩き...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...鰭だけを気忙しなく動かしながら...
豊島与志雄 「反抗」
...こいつが身体も尾鰭もしゃちこばらして...
豊島与志雄 「北支点描」
...泥に潜(ひそ)む魚の鰭(ひれ)は燃える...
夏目漱石 「虞美人草」
...魚の鰭(ひれ)のような波が立つ...
夏目漱石 「坑夫」
...大阪の實家の事を訊かれて竹齋の瀧三郎が面喰つた樣子、上役人や錢形平次が眼をつけてゐると知つて、觀念したものか、丸橋忠彌の穴倉に案内してガラツ八に二千兩の袖の下を掴ませ、事件をウヤムヤにさせようとした經繹(いきさつ)、わけても妹のお雪が、兄を庇(かば)ふのか、八五郎の身の上を心配するのか、涙を流さんばかりに拜んだ話まで――八五郎の口から聞くと、尾鰭が付いて、なか/\に面白くなります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小鰭の鮨売をしょっ引いたか」ひょろ松は...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...小鰭の鮨売が小鰭の鮨というのには不思議はなかろう...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...こんど大和屋が小鰭の鮨売の新作所作事を出すについて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...お前さんがこんど小鰭の鮨売の所作を出すということを盗み聞き...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...小鰭の鮨売こそ、いい迷惑」...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...背鰭(せびれ)をそよがせながら河の浅瀬をのぼってゆくのを見ると...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...尾鰭(おひれ)がついたら...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...尾鰭のことは申上げません...
山本周五郎 「竹柏記」
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