...鰒(ふぐ)でも食って死(しに)よったのかも知れんが...
泉鏡花 「活人形」
...手際よく鰒を割いてゐた...
種田山頭火 「行乞記」
...あるだけの酒飲んで別れたが(星城子君に)眼が見えない風の道を辿る・十一月二十二日のぬかるみをふむ(歩々到着)・夜ふけの甘い物をいたゞく(四有三居)傷づいた手に陽をあてる晴れきつて真昼の憂欝はじめての鰒のうまさの今日(中津)ボタ山ならんでゐる陽がぬくい・ひとすぢに水ながれてゐる・重いドアあけて誰もゐない枯野...
種田山頭火 「行乞記」
...水哉居でよばれた酢章魚はほんとうにおいしかつた、このつぎは鰒だ...
種田山頭火 「行乞記」
...酒の酔と鰒の熱とがからだいつぱいになつてとろ/\する心地はまさに羽化登仙である...
種田山頭火 「其中日記」
...・のぞいて芽柳のなつかしくも妙蓮寺お寺の大柳芽吹いてゆれて春寒の鰒を並べて売りたがつてゐる塩湯はよろしく春もしだいにととなふ景色福沢先生旧邸その土蔵はそのまゝに青木の実三月十七日 日本晴...
種田山頭火 「道中記」
...又渡一海千餘里、至末盧國、有四千餘戸、濱山海居、草木茂盛、行不見前人、好捕魚鰒、水無深淺、皆沈沒取之...
陳壽 「魏志倭人傳」
...宇野信夫君の『巷談宵宮雨』では深川はずれの虎鰒(とらふぐ)の多十住居で...
正岡容 「我が圓朝研究」
...佐殿(すけどの)に文覚(もんがく)鰒(ふぐ)をすゝめけり「比喩(ひゆ)に堕ちてゐるから善くない」とあれどもこの句の表面には比喩なし...
正岡子規 「墨汁一滴」
...ホヤの妻ともいうべき貽貝や鰒様の姿を...
南方熊楠 「十二支考」
...鰒(ふぐ)は卵巣に激毒あり...
村井弦斎 「食道楽」
...かつて海底に径寸の鰒(あわび)の珠を...
柳田国男 「海上の道」
...干鰒(ほしふく)一把程度の品物であったが...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...鰒(ふく)も、ずいぶん喰いましたなあ...
夢野久作 「近世快人伝」
...だんだん免疫(なれ)て来ますと虎鰒...
夢野久作 「近世快人伝」
...腐った鰒に似とる...
夢野久作 「近世快人伝」
...上陸してから鰒(ふぐ)でも奢(おご)り給え...
夢野久作 「焦点を合せる」
...鰒(あわび)十八斤...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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