...鰌(どじょう)が居たら押(おさ)えたそうに見える...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...柳の下にいつも鰌は居らずと一笑す...
大町桂月 「碓氷峠」
...せめて鰌でも食べたいものですね...
種田山頭火 「其中日記」
...鰌(どじょう)が泥の中にばた/\して居た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...重くのっそりしてるのは、鯰や鰻や鰌だ...
豊島与志雄 「霧の中」
...爺さんは又自分が出した小笊へ鰌をあけて更に濡れた竹籃を掛けてさうして正味が幾ら有るかと聞くのである...
長塚節 「教師」
...鰌(どぜう)は其(そ)のこそつぱい笊(ざる)の中(なか)で暫(しばら)く其(そ)の身(み)を動(うご)かしては落付(おちつ)く...
長塚節 「土」
...その時の彼はほとんど砂の中で狂う泥鰌(どじょう)のようであった...
夏目漱石 「行人」
...泥鰌(どじょう)の丸煮(まるに)かなんかで...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...柳の下に泥鰌(どじょう)が居るもんか...
火野葦平 「花と龍」
...あまつさへ長い泥鰌髭のさきからぽたぽた滴り落ちる汗を...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...安来節鰌とうとう天上し久良伎安来節兄ィすつかり悦に入り同アラエッササの安来節は...
正岡容 「大正東京錦絵」
...泥鰌を擬人法にして軽くおどけたる処...
正岡子規 「俳諧大要」
...泥鰌のやうに揉み合つた群衆の中を行つた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...従って、泥鰌も、明日(あす)からは、御不用である』『へ、……そんな急なんですか』『他の商人共へは、黙っておれ』『何で云うもんですか』『序(ついで)に、その泥鰌を、お池の鍋鶴(なべづる)へやってくれんか...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...介三郎は泥鰌(どじょう)の群をたたきつぶして通った...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...いつも柳の下に鰌(どじょう)はいねえってやつだ...
吉川英治 「旗岡巡査」
...銭はやる」「折角だけど、きょうの泥鰌は、お父(とっ)さんに上げるんだから遣(や)れないよ」笊(ざる)を抱えて小川の窪から飛びあがると、子供は、野萩の中を栗鼠(りす)みたいに駈け去ってしまった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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