...女の兒が尻まで着物をまくつて泥鰌をさがしてゐた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...鰌(どぢやう)の沼津(ぬまづ)をやがて過(す)ぎて...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...鰌(どじょう)とりのかんてらが...
伊藤左千夫 「春の潮」
...師匠の家は駒形(今の鰌屋の真向う)にあって表通り...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...」柳の下の泥鰌という洒落のつもりだったのでしょうが...
太宰治 「みみずく通信」
...せめて鰌でも食べたいものですね...
種田山頭火 「其中日記」
...「いま鰌を買つた所さ」自分は爺さんのことを妻に語つた...
長塚節 「教師」
...僅(わづか)な鰌(どぜう)は味噌汁(みそしる)へ入(い)れて箸(はし)で骨(ほね)を扱(しご)いて與吉(よきち)へやつた...
長塚節 「土」
...駒形の御堂の前の綺麗(きれい)な縄暖簾(なわのれん)を下げた鰌屋(どじょうや)は昔(むか)しから名代(なだい)なものだとか...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...「泥鰌(どぜう)見たいなことを言ふなよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...泥鰌(どぢやう)のやうに泡を噴いてるぢやないの? ゆき子はそんな気持ちだつた...
林芙美子 「浮雲」
...さぎが鰌(どじょう)をふむようなふうをして...
三宅花圃 「藪の鶯」
...彼は泥鰌汁のお代りをし...
山本周五郎 「ちゃん」
...泥鰌の桶を提げて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...泥鰌(どじょう)の格闘は...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...銭はやる」「折角だけど、きょうの泥鰌は、お父(とっ)さんに上げるんだから遣(や)れないよ」笊(ざる)を抱えて小川の窪から飛びあがると、子供は、野萩の中を栗鼠(りす)みたいに駈け去ってしまった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...泥鰌(どじょう)を分けてくれなかった子どもである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...少年は、父が死ぬと、父が一番好きな物は何であったかを考え――もう秋も半ばというのに、懸命に、泥鰌をさがして、あの小川で洗っていたものにちがいない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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