...「あんちおきや」の同勢が鯨波(とき)の声を轟かいて...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...太都夫が率ゐた同勢も殆ど上陸しつくして茲に三度鯨波を擧げた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...「ウハーウハーウハー」と夜陰を破る鯨波を擧げるのであつた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...鵜沢(うざわ)連隊長殿と戦死(うちじに)するところだった」少年の群はその時鯨波(とき)をあげて右側の路地の中に入って往った...
田中貢太郎 「春心」
...彼を圍むはアカイアの鯨波の叫び高き群...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼らは未だ衆軍の擧ぐる鯨波の音聞かず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...槍をかざして一齊に進んで鯨波湧き起る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...――ただの鯨波の声ならば...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...満員鯨波拍子……………「どうせ金で買われて行く流(ながれ)の身なんですもの唄いますわ...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...忽然として万籟(ばんらい)死して鯨波(ときのこえ)もしなければ...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...汽車で海岸を走ってみると日本海の方面では鉢崎(はちさき)・鯨波(くじらなみ)のあたりからもう旅人の目を留めしめる...
柳田国男 「雪国の春」
...次郎長の児分で一番強いのは森の石松だ」S=月明の天竜河原にどっとあがる鯨波の声は清水一家八十余人と甲州黒駒の勝蔵一家百五十人が入り乱れての喧嘩...
山中貞雄 「森の石松」
...皆一斉に鯨波(ときのこえ)を上げて喝采した...
夢野久作 「斜坑」
...一度に鬨(どっ)と鯨波(ときのこえ)を挙げました...
夢野久作 「白髪小僧」
...鯨波(ときのこえ)がドッと湧き起ったので...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...鯨波(とき)の声を張り上げて肉迫する気勢を敵に知らしめた...
横光利一 「日輪」
...奴国の方へ押し寄せて行く耶馬台の軍の鯨波(とき)の声が一段と空に上った...
横光利一 「日輪」
...何の声もなかった――とまず京極方の桟敷(さじき)がドッと勝鯨波(かちどき)を爆破させ宮津城下の町人も喊声(かんせい)を上げてそれに和した...
吉川英治 「剣難女難」
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