...或種の人は自己の視野に入り來る一切の事物を鮮明に的確に見る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...自分の視野に入り來る事物を鮮明に的確に見る力を持つてゐる人を「わかりのいゝ」人と云ふならば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...彼は部分部分は鮮明に語るが...
梅崎春生 「狂い凧」
...意識が鮮明になった...
海野十三 「西湖の屍人」
...眼前に見るように鮮明に思い出され...
太宰治 「人間失格」
...和歌のほうにはどうしても象徴的であるよりもより多く直接法な主観的情緒の表現が鮮明に濃厚に露出しているものが多いことは否定し難い事実である...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...私の頭の中で著しく鮮明になって来たのは...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...また遠方の物体が不鮮明に見えるのは長く...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...以て其の旗幟を鮮明にすべきを勸め...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...雪の結晶の生長して行く有様が実に鮮明に分って来て大変面白かった...
中谷宇吉郎 「映画を作る話」
...それが血のように赤く鮮明に印象されることは...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...さらにまた階級的意識を鮮明にして...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...一画一画を鮮明につかまれて来ていないからであると思わざるを得なくなった...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...対象にする物の善(よ)さ悪さで態度を鮮明にしないではいられない性質の大臣は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わたくしは其印象の鮮明にして...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...城山の頂きが鮮明に黝づく色を泛べていた...
横光利一 「旅愁」
...今でもかなりある部分は鮮明に記憶をよび出すことが出来るのである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...表現の透明さは作者の現わそうとするものを最も鮮明に見せてくれる...
和辻哲郎 「歌集『涌井』を読む」
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