...或種の人は自己の視野に入り來る一切の事物を鮮明に的確に見る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...自分の視野に入り來る事物を鮮明に的確に見る力を持つてゐる人を「わかりのいゝ」人と云ふならば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...その内容は遙に鮮明にして妥當なるものとなる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...枝が垂れ下つて全体が円錐形的に兜に似た松の姿も鮮明に残つて居る...
安倍能成 「初旅の残像」
...風景はいよいよ鮮明に立体化して来る...
梅崎春生 「幻化」
...こんな平凡な景色の記憶がこんなに鮮明に残っているには...
寺田寅彦 「涼味数題」
...紙型は雁皮紙を數枚あはせれば凹凸が鮮明になることや...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...以て其の旗幟を鮮明にすべきを勸め...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...自分の相手としての津田ばかりが鮮明に動いた...
夏目漱石 「明暗」
...木星の光りはますます鮮明になり...
北條民雄 「続重病室日誌」
...その香りは何処かしらからますます鮮明に匂ってくる...
堀辰雄 「恢復期」
...まさに立場が鮮明になる一触即発のとき...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...狐の話その他何と鮮明に語られていることだろう...
宮本百合子 「科学の常識のため」
...)が、或る作家にとっては逆転になるということの意味が、鮮明に見えます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...まぶたの裏に鮮明に貼りつき...
山川方夫 「菊」
...妻とは全く別の女だと云ふことを何故かくも突如として鮮明に感じさすのか...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...光るものがあるということも鮮明に浮き上って参ります...
横光利一 「旅愁」
...殿は旗幟(きし)を鮮明になさるような事はありますまい...
吉川英治 「黒田如水」
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