...そしてクリムソンレーキを水に薄く溶かしたよりもっと鮮明な光を持った鱗(うろこ)の色に吸いつけられて...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...大きいものだけ、鮮明な、強い色、光だけが目にはいって来る...
太宰治 「女生徒」
...不鮮明なものだった...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...今も極めて鮮明な印象を刻んでいる...
外村繁 「澪標」
...この際唯一(ゆいいつ)の手段として「しかし」をもう一遍繰(く)り返(かえ)す「しかし……今度の土曜は天気でしょうか」旗幟(きし)の鮮明ならざること夥(おびただ)しい誰に聞いたって...
夏目漱石 「自転車日記」
...鮮明な印刷物を拵(こし)らえるとか云う...
夏目漱石 「門」
...それほど鮮明なコントラストを見たことがない...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...その一つは、鮮明な、すき透るやうな色彩からのみ成つてゐる...
堀辰雄 「鳥料理」
...山の頂きがほの白んだ空の裾に青黒く鮮明な隈どりを描き...
牧野信一 「水車小屋の日誌」
...その話はよく祖母から聞かされて感動してゐたのだが、年齢を取つて、その歌集を読むと、平凡愚拙甚だしいもので、鮮明な印刷や、破つても破けないほどの紙質が、貧しい内容にくらべて勿体ないやうに思はれた...
正宗白鳥 「月を見ながら」
...松茸は赤黄緑紫灰色とりどりに鮮明な絵具をぬられてくつきりと水玉の斑点を意匠に散らした寸にもたらないもので...
三好達治 「オルゴール」
...鬼神でも罪を許すであろうほどな鮮明な美貌(びぼう)からは若い光と匂(にお)いが散りこぼれるようである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...子規以後に彼ほどに旗幟鮮明な勢ひをもつて発句城に迫つたものはない...
室生犀星 「俳句は老人文学ではない」
...Karpokrates は基督教界に於ける殆唯一の旗幟鮮明なる共産主義者で...
森鴎外 「古い手帳から」
...進行中の鮮明な色...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...かなり形式の鮮明な方である...
吉川英治 「随筆 新平家」
...輪郭の比較的に不鮮明な...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...非常に鮮明な姿で固く結びついているのです...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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