...意味の複雑な具象の鮮明な歌であった...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...浅虫ほど鮮明な思ひ出は残つてゐない...
太宰治 「津軽」
...茶色の全身に鮮明な黒の斑点(はんてん)が行き亙(わた)っていて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...曇りのない鮮明な輪郭をくッきりと浮かばせて...
谷崎潤一郎 「秘密」
...元のように瞭然(はっきり)として鮮明な元の姿に...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...原画をあまり近く置きすぎたために鮮明な映像を得られなかったのは当然である...
寺田寅彦 「映画時代」
...実に鮮明な印象を残している...
豊島与志雄 「故郷」
...この際唯一(ゆいいつ)の手段として「しかし」をもう一遍繰(く)り返(かえ)す「しかし……今度の土曜は天気でしょうか」旗幟(きし)の鮮明ならざること夥(おびただ)しい誰に聞いたって...
夏目漱石 「自転車日記」
...鮮明な印刷物を拵(こし)らえるとか云う...
夏目漱石 「門」
...謂ゆる鮮明な色彩をもって描写しなければならないが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...恐ろしいまでに鮮明な夢も見ていた...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...そんな鮮明な色は無い...
堀辰雄 「鳥料理」
...山の頂きがほの白んだ空の裾に青黒く鮮明な隈どりを描き...
牧野信一 「水車小屋の日誌」
...元來好き嫌ひの色彩の鮮明な梶原君は...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...(c)知恵の最も鮮明な標識は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この麓(ふもと)へ来てからこんな鮮明な山容を仰ぐことは...
吉川英治 「新書太閤記」
...かなり形式の鮮明な方である...
吉川英治 「随筆 新平家」
...輪郭の比較的に不鮮明な...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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