...表現の具象が余りに鮮明な歌には...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...原画をあまり近く置きすぎたために鮮明な映像を得られなかったのは当然である...
寺田寅彦 「映画時代」
...鮮明なるしかも持続性ある印象として火災に関する最重要な心得の一般を固定させるよりほかに道はないように思われる...
寺田寅彦 「火事教育」
...かなりに鮮明なその記憶を今日分析してみてはじめて発見するのである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...はたしてかなり鮮明なのが相次いでやって来た...
寺田寅彦 「断水の日」
...黒ずみたる背景の山水に鮮明なる衣裳の色彩を対照せしむる事あり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...色彩の鮮明な南国的漁村風景を描いてる...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...學者や思想家の立場の相違以外なほ通俗的意義の影響によつて極めて複雜不鮮明なる事態が釀し出されたにも由るが...
波多野精一 「時と永遠」
...ある心象がその記憶能力を識別するような鮮明な色で描かれないときは...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...確信は観念のより強力で鮮明な想念に他ならないので...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...その一つは、鮮明な、すき透(とお)るような色彩からのみ成っている...
堀辰雄 「鳥料理」
...そんな色の鮮明な夢...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...全体の印象は非常に鮮明なのに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...廊を廻った藤(ふじ)も船が近づくにしたがって鮮明な紫になっていく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...鬼神でも罪を許すであろうほどな鮮明な美貌(びぼう)からは若い光と匂(にお)いが散りこぼれるようである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...Karpokrates は基督教界に於ける殆唯一の旗幟鮮明なる共産主義者で...
森鴎外 「古い手帳から」
...(c)知恵の最も鮮明な標識は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...植木出雲守(うえきいずものかみ)が鮮明なる敵色をひるがえしているのだ...
吉川英治 「新書太閤記」
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