...色彩の鮮やかさに興趣を覚えてはいたのですが...
太宰治 「人間失格」
...まるで予め稽古でもしておいたような鮮やかさで将校連の間に割り込んで席を占めたかと思うと...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...明晰な洞察力で問題の新しい方面へ切り込んで行く手際の鮮やかさに心を引かれる...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...ステンドグラスなどは実物をすかしてみるような鮮やかさだ...
永井隆 「この子を残して」
...青鯖色の水を切つて走る朱の三角帆の鮮やかさが...
中島敦 「環礁」
...調子の鮮やかさが抜群で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小坊主を人質にして逃出した手際の鮮やかさは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その水際だった鮮やかさには敬服したものであった...
平林初之輔 「現下文壇と探偵小説」
...姿は見えぬがあちこちの木蔭にいくたりもの人が隠れてゐる通りに呼応して来る鮮やかさに僕は土人のやうに胸を躍らせるのであつた...
牧野信一 「沼辺より」
...(c)わたしは馬術の巧みさと鮮やかさにおいて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...女客も「マァー」と鮮やかさに眼を見張る...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...たいていはいい加減にあしらって片づける鮮やかさ...
山本笑月 「明治世相百話」
...手練の鮮やかさを滅多に持ち合わせていないであろう事を...
夢野久作 「少女地獄」
...殆ど電燈(でんき)のスイッチを拈(ひね)るのと同様な鮮やかさで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...膝から延びた千鶴子の透明な足首に泛き出た毛細管の鮮やかさが...
横光利一 「旅愁」
...骨箱を包んだ布が大きな傷口のような鮮やかさで彼の眼に沁みついた...
横光利一 「旅愁」
...そのとき烈しく片頬に灯を受けた靨の鮮やかさは...
横光利一 「旅愁」
...何という鮮やかさだろう...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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