...毎夜必ず魘(うな)される時だけで...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...屹度寢てゐても先生の眼に憑いて先生を魘すだらうと...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...前(さき)の日よりの恐ろしき經歴は魘夢(えんむ)の如く我心を劫(おびやか)し來りぬ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...我魘夢の儼然として動(うごか)すべからざる事實なるを認めざることを得ざりき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...「夢に魘(うな)されたのではないかい? そんな莫迦(ばか)なものがいるはずがないじゃないか! どこにいたんだ? この辺にかい? この辺にか?」と私もあまりいい気持はしませんのですが...
橘外男 「蒲団」
...何をそんなに魘(うな)されてるのだよ」すると老人の声で...
田中貢太郎 「遁げて往く人魂」
...こいさんは昨夜板倉の亡霊に魘されてから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それが不幸な旅客の亡霊か何ぞに魘(うな)されている苦悶(くもん)の声ではないかと疑われた...
徳田秋声 「あらくれ」
...都は魘(おそ)われた様に深夜(しんや)に火の息を吐いて居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...私はその晩恐ろしく魘(うな)されました...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...今は魘(うな)されるような感覚ばかりが彼をとりまいているのだった...
原民喜 「美しき死の岸に」
...彼は附け加へた――「女中が一人魘(うな)されたのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...大層お魘(うな)されですね...
村井弦斎 「食道楽」
...魘(おび)えた顔をして立っているきりである...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...そうした脱獄囚の姿に毎夜毎夜どれほど魘(うな)されて来たか...
夢野久作 「白菊」
...やがてオドオドした魘(おび)えたような眼付きで...
夢野久作 「白菊」
...又は自分の先祖たち……過去の胎児自身が、隠し了(おお)せた犯罪や、人に云い得ずに死んだ秘密の数々が、血塗(ちまみ)れの顔や、首無しの胴体や、井戸の中の髪毛(かみのけ)、天井裏の短刀、沼の底の白骨なぞいうものになって、次から次に夢の中へ現われて来るので、そのたんびに胎児は驚いて、魘(おび)えて、苦しがって、母の胎内でビクリビクリと手足を動かしている...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...彼は苦しい悪夢に魘(うな)された...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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