...そして目を据(す)えてもう一度雪野の果てにそびえ立つ雷電峠を物珍しくながめて魅入られたように茫然(ぼうぜん)となってしまう...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...君は魅入られた者のように...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...私はこれを日本国民が二千年来この生を味(あじお)うて得た所のものが間接の思想の形式に由らず直ちに人の肉声に乗って無形のままで人心に来り迫るのだ」とあるは二葉亭のこの間の芸に魅入られた心境を説明しておる...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...ハリーは魅入られたやうな顏をして...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...長谷川は魅入られたような心地になって...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...何かに魅入られたのではなかろうかと云う疑さえ起した...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...手前はお徳の阿魔(あま)に魅入られたんだ」「親分」「判っているよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そんな馬鹿な事が――」道子の顔を魅入られたように見詰めて居た讃之助は...
野村胡堂 「葬送行進曲」
...月に魅入られたような様子で...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...鬼に魅入られたか...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...妖怪に魅入られたか...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...恐怖に魅入られた数秒の間...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...事件にますます魅入られたのは...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...これほど俳魔に魅入られたらもう助かりやうはない...
正岡子規 「墨汁一滴」
...性根まで溶らかされ魔に魅入られたが如く心乱れ...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...ますます魅入られたもののように瞳を凝(こ)らす...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...妾は悪魔に魅入られた女になってしまいました...
夢野久作 「白髪小僧」
...天魔にでも魅入られたかと...
吉川英治 「新書太閤記」
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