...「狐は果たして人を魅するの術を知るや...
井上円了 「おばけの正体」
...人を魅する道徳はわれわれをつらぬく...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...魅するような微笑と(もっともそれは屡邪惡な色を帶びるのであったが)素晴らしい唇と齒とを持ち...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...強烈にわれわれを魅するということはないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...其所(そこ)に聊(いささ)か人を魅する牽引力(けんいんりょく)を失う恐が潜(ひそ)んでいるという意味でも読みづらい...
「『土』に就て」
...この魅するばかりの華麗な空を見て...
原民喜 「冬日記」
...死そのものが僕を魅するのである...
堀辰雄 「眠れる人」
...その高原で私の會つてきた多くの少女たちを魅するために...
堀辰雄 「麥藁帽子」
...この聖母の姿は魅するような女らしさがあり...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...ある種の読者を魅するであろうが...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...慰みに弾くヴァイオリンは聴く人の心を魅するそうだが...
宮本百合子 「科学の常識のため」
...顔にさしよせられる花束はつよい芳しさと魅する力とをもって何と喰われてしまいたい刹那でしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この頃はそれが一種の人を魅するような態度に変じて来た...
森鴎外 「雁」
...云いようもなく人を魅する微笑であった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...妖しく魅するような...
山本周五郎 「山彦乙女」
...これはそっぽ(容貌)で客を魅する方...
山本笑月 「明治世相百話」
...地球の向う側で――魅するやうな花園の中へ行つて眠つてゐるシルストル一人が...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...醜いが人を魅する悪魔的な眼付...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
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