...いつのまにか私たちを魅するやうになつたその不思議な眼に出會ふために...
アポリネエル Guillaume Apollinaire 堀辰雄訳 「青い眼」
...果たして狐に人を魅するの術ありとせば...
井上円了 「おばけの正体」
...白磁の皿にもられたこのみのやうに人を魅する冷たい哀愁がながれでる...
大手拓次 「藍色の蟇」
...ぺろ/\と擽ぐるように舐めて行く奇怪な感覚は恐ろしいと云う念を打ち消して魅するように私の心を征服して行き...
谷崎潤一郎 「少年」
...じつに幸福だ! (彼女は男の胸にもたれかかる)僕はまた見られるのだ――この魅するような眼を...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...また一種魅するが如き力は彼女の一挙一動に供うたのである...
――モウパンサン―― 辻潤訳 「頸飾り」
...強烈にわれわれを魅するということはないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...ちょっと人を魅する姿勢が出来てくる...
中里介山 「大菩薩峠」
...其所に聊か人を魅する牽引力を失ふ恐が潛んでゐるといふ意味でも讀みづらい...
夏目漱石 「「土」に就て」
...この魅するばかりの華麗な空を見て...
原民喜 「冬日記」
...この聖母の姿は魅するような女らしさがあり...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...人を魅する力がこもっている...
水野葉舟 「北国の人」
...しかしここは大人のしかも音楽を好くような人間の或種の人を魅するのであって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この頃はそれが一種の人を魅するような態度に変じて来た...
森鴎外 「雁」
...人を魅する企て(charmant projet)だ! だって彼は人間性を描いているのだから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...快楽のおさえがたい魅するような誘惑と戦うのも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...妖しく魅するような...
山本周五郎 「山彦乙女」
...いやいやながら返事をしてゐたことも思ひ出した‥‥彼等に對する彼は何といふ異つた態度をしたことであらう!‥‥彼は人を魅するやうな舞踏者であつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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