...果たして狐に人を魅するの術ありとせば...
井上円了 「おばけの正体」
...白磁の皿にもられたこのみのやうに人を魅する冷たい哀愁がながれでる...
大手拓次 「藍色の蟇」
...ちょっと人を魅する姿勢が出来てくる...
中里介山 「大菩薩峠」
...其所に聊か人を魅する牽引力を失ふ恐が潛んでゐるといふ意味でも讀みづらい...
長塚節 「土」
...其所に聊か人を魅する牽引力を失ふ恐が潛んでゐるといふ意味でも讀みづらい...
夏目漱石 「「土」に就て」
...其所(そこ)に聊(いささ)か人を魅する牽引力(けんいんりょく)を失う恐が潜(ひそ)んでいるという意味でも読みづらい...
「『土』に就て」
...冷静な少女の心を魅するほどの力があったとは思えない...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...屡と彼等を魅するのは死の方法(ジアンル)そのものである...
堀辰雄 「色褪せた書簡箋に」
...まだ行つたことのない地方の植物が旅行家を魅するがやうにだ...
堀辰雄 「眠れる人」
...お前が僕を魅するのはお前の中に何か見知らないものがあるからだ...
堀辰雄 「眠れる人」
...死そのものが僕を魅するのである...
堀辰雄 「眠れる人」
...これは蛇が眼を以て魅する力あるを...
南方熊楠 「十二支考」
...慰みに弾くヴァイオリンは聴く人の心を魅するそうだが...
宮本百合子 「科学の常識のため」
...顔にさしよせられる花束はつよい芳しさと魅する力とをもって何と喰われてしまいたい刹那でしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...人を魅する企て(charmant projet)だ! だって彼は人間性を描いているのだから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これはそっぽ(容貌)で客を魅する方...
山本笑月 「明治世相百話」
...いやいやながら返事をしてゐたことも思ひ出した‥‥彼等に對する彼は何といふ異つた態度をしたことであらう!‥‥彼は人を魅するやうな舞踏者であつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...醜いが人を魅する悪魔的な眼付...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
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