...人間の大人ほどある鬼魅(きみ)悪い大きな岩魚が白い腹をかえしながら音もなく浮んだのであった...
田中貢太郎 「岩魚の怪」
...女房は鬼魅(きみ)わるくなって...
田中貢太郎 「海坊主」
...由平は鬼魅(きみ)がわるかったが...
田中貢太郎 「阿芳の怨霊」
...丹治は鬼魅(きみ)悪くなって来た...
田中貢太郎 「怪人の眼」
...また見ようによっては蟹の鋏のようにも見える鬼魅(きみ)の悪いものだった...
田中貢太郎 「蟹の怪」
...そのぼうとした光の中には鬼魅(きみ)の悪い毒どくしい物の影が射(さ)していた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...起きて逃げる拍子に笑ったのだが」「おかしゅうございますね」お滝はうす鬼魅が悪いので...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...刑場の真中には磔の柱が二本鬼魅悪く立っていた...
田中貢太郎 「幻術」
...その二人の黒い影が鬼魅(きみ)悪く忰の眼に見えた...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...鼠(ねずみ)色に暮れかけた湖の上は蝸牛(かたつむり)の這(は)った跡のようにところどころ鬼魅(きみ)悪く光っていた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...某日の黄昏(ゆうぐれ)便所へ往って手を洗っていると手洗鉢(ちょうずばち)の下の葉蘭(はらん)の間から鬼魅(きみ)の悪い紫色をした小さな顔がにゅっと出た...
田中貢太郎 「通魔」
...こんなに蚊がいるのに」宅悦はお岩の鬼魅(きみ)のわるい顔を避けながらもじもじしていた...
田中貢太郎 「南北の東海道四谷怪談」
...鬼魅(きみ)が悪いじゃないの」「だからよ...
田中貢太郎 「偶人物語」
...其処から生臭い鬼魅悪い臭がして来ます...
田中貢太郎 「人蔘の精」
...(けたいなこともあるものじゃ)半兵衛は鬼魅がわるかった...
田中貢太郎 「山の怪」
...「なにが鬼魅(きみ)がわるいものか...
田中貢太郎 「雪の夜の怪」
...お礼にさしあげますから」謙蔵はうす鬼魅(きみ)悪く思わないでもないが...
田中貢太郎 「指環」
...何となく無鬼魅(ぶきみ)に感じたので...
田中貢太郎 「寄席の没落」
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