...もう鬼灯(ほおづき)ほどの小ささに点々と赤く動いていました...
芥川龍之介 「開化の良人」
...「朝顔に急がぬ膳や残り客(きやく)」「ひそひそと何料理(れう)るやら榾明(ほたあか)り」「初秋の心づかひや味噌醤油」「大事がる馬の尾づつや秋の風」「落栗(おちぐり)の座をさだむるや窪(くぼ)たまり」(初めて伊那に来て)「鬼灯(ほほづき)の色にゆるむや畑の縄(なは)」等...
芥川龍之介 「雑筆」
...大川はもちろん鬼灯提灯(ほおずきぢょうちん)を吊(つ)った無数の船に埋(うず)まっていた...
芥川龍之介 「追憶」
...数千の鬼灯提灯(ほおずきじょうちん)を繋(つな)ぎ懸け候が...
泉鏡花 「凱旋祭」
...鬼灯(ほおずき)を棒へさしたように...
中里介山 「大菩薩峠」
...佛壇にも青笹だの鬼灯だのが飾つてあつて燈明がともつて居る...
長塚節 「旅の日記」
...『わたしです』と海鬼灯は...
野口雨情 「少女と海鬼灯」
...海鬼灯を木の葉の上へ乗せて...
野口雨情 「少女と海鬼灯」
...海鬼灯は、木の葉の上に捉(つかま)つて、情は他人のためならず御恩は必ず返しますと、繰り返し繰り返し歌ひながら、水の流(ながれ)につれて川下の方へ流れてゆきました...
野口雨情 「少女と海鬼灯」
...鬼灯提灯(ほゝづきちやうちん)をかけ連ねた下に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大きくて赤い鬼灯を一つ――中は空つぽになつてゐるのを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鬼灯提灯(ほうづきちようちん)が十ばかり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...初夏の青い陽(かげ)さす青鬼灯のやさしい蕾...
原民喜 「小さな庭」
...暗澹たる雷雨の中に朱く熟れた鬼灯の実...
原民喜 「小さな庭」
...……いく年かわたしはその庭の鬼灯の姿に魅せられて暮してゐたのだが...
原民喜 「小さな庭」
...それでまだ物足らぬと見えて屋根の上から三橋の欄干(らんかん)へ綱を引いてそれに鬼灯(ほおずき)提灯を掛けて居るのもある...
正岡子規 「熊手と提灯」
...鬼灯(ほおずき)の根でも飲まそうかと思うんだ...
室生犀星 「童子」
...先生」「太夫元の先生」「曲独楽(きょくごま)の小屋にいる易者の先生」「先生ッてば」「寄ってらッしゃいよ」鬼灯(ほおずき)を舌に浮かせてさえずりました...
吉川英治 「江戸三国志」
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