...その御人格には更に鬱然たる強さをもお加へなさつた御様子で...
太宰治 「右大臣実朝」
...やがて大隅君のあの鬱然たる風格の要因にさえなった様子であったが...
太宰治 「佳日」
...一度病樹の巷を去つて松柏鬱然たる京都に來るや否や...
永井荷風 「十年振」
...鬱然たる周圍の樹木を浸して居る...
長塚節 「鉛筆日抄」
...土手の果には鬱然たる森が有つて其森から手を出した樣に片側建の人家が岸に臨んで居る...
長塚節 「おふさ」
...鬱然たる亜熱帯の沼沢地...
久生十蘭 「地底獣国」
...クルリと身をかえして鬱然たる暗い蘇鉄の森の中へ跳ねこんでいってしまった...
久生十蘭 「地底獣国」
...さすがに冷静な真名古も胸中鬱然たる怒気を発した...
久生十蘭 「魔都」
...今から既に(敢えてそう云います)鬱然たる大樹の萌芽をあらわしているばかりでなく...
夢野久作 「挿絵と闘った話」
...ロ市の盛り場一帯に鬱然たる勢力を張っておりましたが小生は同人と交際を結ぶや...
夢野久作 「暗黒公使」
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