...彼女の表情は鬱然としていた...
...彼の言葉には鬱然とした気分にさせられる...
...仕事に疲れ、鬱然とした気分になった...
...彼女は自分の未来について鬱然とした考えを持っていた...
...彼は不景気によって鬱然としていた...
...鬱然(うつぜん)として思想壇に重きをなした雑誌界の覇王(はおう)であった...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...運動はかならず鬱然とおこって来る...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...やがて大隅君のあの鬱然たる風格の要因にさえなった様子であったが...
太宰治 「佳日」
...鬱然として顔を仰向け...
太宰治 「善蔵を思う」
...それを着て鬱然と部屋のまん中にあぐらをかいて煙草をふかしているのであるが...
太宰治 「服装に就いて」
...しかるにわが東京においてはもし鬱然(うつぜん)たる樹木なくんばかの壮麗なる芝山内(しばさんない)の霊廟(れいびょう)とても完全にその美とその威儀とを保つ事は出来まい...
永井荷風 「日和下駄」
...その鬱然(うつぜん)たる生気を失うにきまっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...老樹の鬱然として濕つぽい間を行くので深山のやうな淋しい心持がする...
長塚節 「鉛筆日抄」
...鬱然たる周圍の樹木を浸して居る...
長塚節 「鉛筆日抄」
...ビクターのコルトーは鬱然(うつぜん)たる感じのする名演奏で(七四九三―五)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...鬱然たる亜熱帯の沼沢地...
久生十蘭 「地底獣国」
...クルリと身をかえして鬱然たる暗い蘇鉄の森の中へ跳ねこんでいってしまった...
久生十蘭 「地底獣国」
...さすがに冷静な真名古も胸中鬱然たる怒気を発した...
久生十蘭 「魔都」
...正面に坂道を現はし(坂の上には小さな人物が一人向ふへ越え行かうとして居る処が画いてある)坂の右側に数十丈もあらうといふ大樹が鬱然(うつぜん)として立つて居る...
正岡子規 「病牀六尺」
...徳川時代に至りて数学が鬱然として勃興し得たのは偶然でない...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...今から既に(敢えてそう云います)鬱然たる大樹の萌芽をあらわしているばかりでなく...
夢野久作 「挿絵と闘った話」
...心の地震鬱然(うつぜん)とした大樹はあるが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...すべて山の窪み高みを埋めつくして鬱然と押し擴がつてゐるのであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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