...彼女の表情は鬱然としていた...
...彼の言葉には鬱然とした気分にさせられる...
...仕事に疲れ、鬱然とした気分になった...
...彼女は自分の未来について鬱然とした考えを持っていた...
...彼は不景気によって鬱然としていた...
...鬱然(うつぜん)として思想壇に重きをなした雑誌界の覇王(はおう)であった...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...鬱然として顔を仰向け...
太宰治 「善蔵を思う」
...刻苦精進して夙(はや)く鬱然一家をなし...
太宰治 「盲人独笑」
...山襞(やまひだ)の多い鬱然(うつぜん)たる樹木の山のみが...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...川向こうを見ると城の石垣(いしがき)の上に鬱然(うつぜん)と茂った榎(えのき)がやみの空に物恐ろしく広がって汀(みぎわ)の茂みはまっ黒に眠っている...
寺田寅彦 「花物語」
...一度病樹の巷を去つて松柏鬱然たる京都に來るや否や...
永井荷風 「十年振」
...しかるにわが東京においてはもし鬱然(うつぜん)たる樹木なくんばかの壮麗なる芝山内(しばさんない)の霊廟(れいびょう)とても完全にその美とその威儀とを保つ事は出来まい...
永井荷風 「日和下駄」
...線路の左右に樹木の鬱然と生茂(おいしげ)った広大な別荘らしいものがある...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...その鬱然(うつぜん)たる生気を失うにきまっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...鬱然たる周圍の樹木を浸して居る...
長塚節 「鉛筆日抄」
...鬱然たる亜熱帯の沼沢地...
久生十蘭 「地底獣国」
...正面に坂道を現はし(坂の上には小さな人物が一人向ふへ越え行かうとして居る処が画いてある)坂の右側に数十丈もあらうといふ大樹が鬱然(うつぜん)として立つて居る...
正岡子規 「病牀六尺」
...今から既に(敢えてそう云います)鬱然たる大樹の萌芽をあらわしているばかりでなく...
夢野久作 「挿絵と闘った話」
...ときどき鬱然(うつぜん)と押し重なった建物の中から...
横光利一 「上海」
...近国近郡のひろい山野にその気運を鬱然(うつぜん)と萌(も)え出させた原動力は千早であった...
吉川英治 「私本太平記」
...心の地震鬱然(うつぜん)とした大樹はあるが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...あの鬱然とした長屋の片隅...
蘭郁二郎 「魔像」
...日の光を遮つて鬱然と聳えて居る幹から幹を仰ぎながら...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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