...沿岸一帯が鬱々と黄金色のひかりを放って...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...鬱々と籠居の御様子でございましたが...
太宰治 「右大臣実朝」
...春琴は常に我が居間の床脇(とこわき)の窓の所にこの箱を据(す)えて聴(き)き入り天鼓の美しい声が囀(さえず)る時は機嫌(きげん)がよかった故に奉公人共は精々水をかけてやり啼かせるようにした大抵快晴の日の方がよく啼くので天気の悪い日は従って春琴も気むずかしくなった天鼓の啼くのは冬の末より春にかけてが最も頻繁(ひんぱん)で夏に至ると追い追い回数が少くなり春琴も次第に鬱々(うつうつ)とする日が多かった...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...鬱々(うつ/\)としているように見えたので...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...気が鬱々するとお詣りに行つてよ...
徳田秋聲 「水ぎわの家」
...鬱々と東のほうを眺めていると...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...以前は鬱々としている時でも...
二葉亭四迷 「浮雲」
...鬱々(うつうつ)としてそれらの愉(たの)しかった水郷の家のことが...
室生犀星 「津の国人」
...きょうも鬱々(うつうつ)としてまた愉しく...
室生犀星 「陶古の女人」
...鬱々不得志...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ペストの平原に対してブダは対岸の緑樹鬱々とした丘陵である...
横光利一 「欧洲紀行」
...はははは……いうはやすいが」「しかし、今度は考えましたゆえ、もう鬱々と、毎日無益な悶(もだ)えに送るのはやめます」「仕官がいやになったら、いつでも称念寺へ帰っておいでなさい...
吉川英治 「新書太閤記」
...鬱々(うつうつ)と...
吉川英治 「新・水滸伝」
...鬱々(うつうつ)とこの不快なものを抱かせているのではないか」「お家のためを存ずればこそでござります...
吉川英治 「親鸞」
...こんなさいの民主政体のまどろさには鬱々(うつうつ)とせずにいられない...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...鬱々(くさくさ)して...
吉川英治 「松のや露八」
...何を鬱々(くよくよ)」と...
吉川英治 「源頼朝」
...しかも何か鬱々と不機嫌を内に溜めている姿を見ると...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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