...わたしの憂鬱の癒(なお)らないことはわたし自身誰よりも知り悉(つく)していた...
芥川龍之介 「夢」
...繰返し繰返しこれ等の音楽をきいてゐるうちに、私の心は陰鬱に、ひたすらに陰鬱になるのみであつた...
阿部次郎 「帰来」
...勃凸は珍らしく悒鬱(いふうつ)になつてゐた...
有島武郎 「骨」
...鬱陶しくて且つ望が無い...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...冷たく鬱した空気が鈍くその上を動いていた...
伊藤野枝 「転機」
...身の鬱憂を紛れむと...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...非常に陰惨な陰気な沈鬱な執拗で吝嗇で猜疑心が深いという...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...所で――」鬱金(うこん)木綿の財布を...
直木三十五 「南国太平記」
...厭(い)やな陰鬱なものが隠れている...
萩原朔太郎 「ウォーソン夫人の黒猫」
...繋留氣球よりも憂鬱に...
萩原朔太郎 「宿命」
......
原民喜 「鎮魂歌」
...彼は憂鬱(ゆううつ)な気分になってしまった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...まことに憂鬱である...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...すつかり鬱(ふさ)ぎ込んでしまつたのでございます...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それがあたりを益々陰鬱なものにしてゐた...
北條民雄 「間木老人」
...私の青春憂鬱症(ピグマリオニズム)はタンポヽの穂のやうに単なる悩みに富んだ夢の中をさ迷ふだけであつた...
牧野信一 「タンタレスの春」
...そして教員は? 彼は沈鬱な表情で私を見上げた...
松永延造 「職工と微笑」
...それがこの梅雨の季節に入つていよ/\頭が鬱して來た...
若山牧水 「梅雨紀行」
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