...捻(ひね)り廻して鬱(ふさ)いだ顔色(がんしょく)は...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...必ず幽鬱して病患を結び...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...ひそかに鬱憤(うっぷん)を晴らせし由...
井上円了 「おばけの正体」
...みんな僕たちみたいに家が憂鬱(ゆううつ)だから...
太宰治 「正義と微笑」
...刻苦精進して夙(はや)く鬱然一家をなし...
太宰治 「盲人独笑」
...一抹の鬱陶しさを湛(たた)えているような気がしてならなかった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...第十九世紀社会の大烈風はすでにかの上古において垂天の雲のごとき鬱々葱々(うつうつそうそう)たる貴族的の大木を抜き去れり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...」そして私は陰鬱なさびしい絶望的な気持で椅子に身をおとした...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...暗鬱(あんうつ)悲惨なるが故(ゆえ)にロシヤを敬う...
永井荷風 「曇天」
...憂鬱そうにしている金五郎の様子が...
火野葦平 「花と龍」
...自分の鬱積(うっせき)を晴らすために何かしなければと思って...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...また舊(もと)の沈鬱な人となツて...
三島霜川 「解剖室」
...その鬱憤がとんで此の譯が成つたのだといふから...
宮原晃一郎 「イプセンの日本語譯」
...お玉が胸に鬱結(うっけつ)している物の本体は...
森鴎外 「雁」
...今実際にみたような沈鬱(ちんうつ)な人物であろうとは...
森鴎外 「百物語」
...いささか鬱憤をはらした...
吉川英治 「三国志」
...「河内守が乱心した」「いや気鬱(きうつ)の程度だとか」「何...
吉川英治 「私本太平記」
...年来の鬱念(うつねん)を一時に晴らした心地...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索