...鬢毛長きアカイアの民ぞ汝の子なるべき...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...銀杏返(いちょうがえ)しの両鬢(りょうびん)へ毛筋棒(けすじ)を挿込んだままで...
永井荷風 「妾宅」
...白粉(おしろい)をつけ直したり鬢(びん)のほつれを撫(な)で上げたりする...
永井荷風 「すみだ川」
...鬢(びん)をつめて色の浅黒い四十恰好のドコかで見たことのあるような男です...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ隠しかねたる鬢(びん)の毛の肩に乱れて...
夏目漱石 「薤露行」
...鬢(びん)のほつれが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一枚買ひましたよ」八五郎はニヤリニヤリと小鬢(こびん)のあたりを掻くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...退屈をすると鬢(びん)の毛の一...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...なにか心配ごとがあると見えて白い鬢のあたりをそそけさせ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...其光線の鬢は白くまばらなので石膏細工の女かと思はれた...
正岡子規 「ラムプの影」
...六十を過ぎて鬢付(びんつけ)嗜(たしな)み女郎と討ち死にと極めて銀使いける云々)...
南方熊楠 「十二支考」
...しかし結い立ての銀杏返(いちょうがえ)しの鬢(びん)が蝉(せみ)の羽(は)のように薄いのと...
森鴎外 「雁」
...未亡人はほつれかかる鬢(びん)の毛を白い指で掻き上げながら唇を噛んで私をキッと見下した...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...鬢髪(びんぱつ)おののくような怒りをなした...
吉川英治 「剣難女難」
...鬢(びん)にふるえを見せた...
吉川英治 「新書太閤記」
...鬢(びん)の毛を掻き上げている...
吉川英治 「松のや露八」
...鬢(びん)をふるわせてしゅくしゅくと泣き出した...
吉川英治 「宮本武蔵」
...鬢(びん)の毛をそそけ立てている武蔵の姿がひとつしか見えなかったのでございます――」九大風が掃いて行ったように...
吉川英治 「宮本武蔵」
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