...一方の壁には鬢附け油が堅いのと軟(やわら)かいのとを板に附けてある...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...されど自慢の頬鬢掻撫(かいな)づる隙(ひま)もなく...
高山樗牛 「瀧口入道」
...ふっくりと張った鬢(びん)の毛...
近松秋江 「黒髪」
...端坐したまう父母の鬢(びん)の毛の白いのが見えるも心細いような気がする...
寺田寅彦 「祭」
...鬢毛長きアカイアの民ぞ汝の子なるべき...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼女の鬢(びん)がばらばらに紊(ほつ)れていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...鬢髪(びんぱつ)蓬(よもぎ)の如く...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...天辺のつるりと剥げた頭には疎らな胡麻塩の毛を後ろの方から両鬢(りょうびん)へかけて撫で付けている...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...両の小鬢のあたりは汗がポトポトと落ちます...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...」と馳(か)け出したために殊更(ことさら)ほつれた鬢(びん)を直しながら...
永井荷風 「すみだ川」
...横鬢(よこびん)を一太刀なぐられて血は満面に迸(ほとばし)る...
中里介山 「大菩薩峠」
...表替えでもしなきゃ追っつくまい」「へッ」八五郎はモリモリと鬢(びん)を掻きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ポリポリと小鬢(こびん)などを掻くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あるかなきかのおしろいのなまめき――しっとりとした濡(ぬ)れの色の鬢(びん)つき...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...挟箱(はさみばこ)を担(かつ)いだ鬢発奴(びんはつやっこ)の梵天帯(ぼんてんおび)...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...閉場(はね)るようだが――鬢(びん)にさわって見たり...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...鬢(びん)のところが一寸ばかり切れた...
山本周五郎 「さぶ」
...鬢髪(びんぱつ)を逆(さか)になでる海風とが...
吉川英治 「江戸三国志」
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