...しいて左の手を軽くあげて鬢(びん)の毛をかき上げながら...
有島武郎 「或る女」
...毛筋(けすぢ)の通(とほ)つた水髮(みづがみ)の鬢(びん)の艶(つや)...
泉鏡太郎 「艶書」
...君鬢(びん)づらの撓(たわ)むまで...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...果は濡羽(ぬれは)の厚鬢(あつびん)に水櫛(みづぐし)當(あて)て...
高山樗牛 「瀧口入道」
...油気(あぶらけ)薄き鬢(びん)の毛をば河風の吹くがままに吹乱(ふきみだ)さしめたる様子には...
永井荷風 「江戸芸術論」
...鬢(びん)の毛を切ってみました...
中里介山 「大菩薩峠」
...今日は堅鬢付(かたびんつけ)でカンカンに結った髷(まげ)も...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...固鬢(かたびん)つけでカンカンに固めた武家の髷に違ひありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鬢(びん)の毛と一緒に束髪みたいに掻(か)いていたのだが――鼈甲(べっこう)の櫛(くし)...
長谷川時雨 「鬼眼鏡と鉄屑ぶとり」
...撥鬢(はちびん)の風俗で供先へ立つたので...
長谷川時雨 「凡愚姐御考」
...水も垂れるやうな鬢のかゝりから髱つきまで目にうつツたのです...
長谷川時雨 「水色情緒」
...鬢髪しばらくに白きを加えた四十余歳の今日といえどもまったく変わらない...
正岡容 「わが寄席青春録」
...小鬢(こびん)の抜け上った...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...近世に入っては少鬢(しょうびん)ともなったが...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...鬢(びん)のあたりには白いものがみえだしていた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...銅(あか)の鬢盥(びんだらい)へ殆んど一杯ほども吐き...
山本周五郎 「花も刀も」
...鬢(びん)をみだし...
吉川英治 「無宿人国記」
...彼女の鬢(びん)にあたった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
便利!手書き漢字入力検索