...髯(ひげ)の長い頤(あご)をのせている...
芥川龍之介 「仙人」
...それから静かに顋髯(あごひげ)を撫(な)でる...
芥川龍之介 「誘惑」
...その船の機関長とか云ふ赭髯緑眼(しやぜんりよくがん)の男来つて...
石川啄木 「閑天地」
...打見には二十七八に見える老(ふ)けた所があるけれど、実際は漸々(やうやう)二十三だと云ふ事で、髯が一本も無く、烈しい気象が眼に輝いて、少年(こども)らしい活気の溢れた、何処か恁(か)うナポレオンの肖像画に肖通つた所のある顔立で、愛想一つ云はぬけれど、口元に絶やさぬ微笑に誰でも人好(ひとずき)がする...
石川啄木 「病院の窓」
...それよりは客扱い――髯(ひげ)の生(は)えた七難(しちむつ)かしい軍人でも...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...顎髯の男は云ったが腹の中では僧の詞(ことば)を嘲笑(あざわら)っていた...
田中貢太郎 「岩魚の怪」
...風呂にいつて髯を剃り...
種田山頭火 「行乞記」
...主人の髯(ひげ)は六七年来放任主義であまりうるさくなると剪(はさみ)で苅(か)るばかりだし...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...その髯(ひげ)の代表するごとく...
夏目漱石 「永日小品」
...老いたる親の髯(ひげ)を忘れる...
夏目漱石 「虞美人草」
...髯こそ茫々(ぼうぼう)と生えて居りますが...
野村胡堂 「悪人の娘」
...青髯(あおひげ)の跡の凄まじい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少し青髯(あをひげ)の跡がなかつたら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いうとチョビ髯先生は...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...白髪白髯(はくはつはくぜん)の博識たちがあっとおどろいているうちに...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...呆(あき)れて籠をおろして腰をかけ弁当をたべはじめましたら一人の赤髯(あかひげ)の男がせはしさうにやって来ました...
宮沢賢治 「車」
...朱同の髯(ひげ)が童心の好奇をそそったものとみえる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...またきのうの熊みたいな顎髯(あごひげ)の持主かと期していると...
吉川英治 「宮本武蔵」
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