...髯を綺麗に剃った顋の所の人と違っている顔が殊更に引き立って見える...
アルチバシェッフ M. Artzibaschew 森鴎外訳 「罪人」
...髯のホメロスイリヤドを書きし如くにすらすらと書きこそしたれ...
石川啄木 「詩」
...野(や)を燎(や)く髯だからね...
泉鏡花 「薄紅梅」
...鼻の下には十センチもあろうという白い美髯(びぜん)をたくわえていた...
海野十三 「火葬国風景」
...つひぞ見知らぬ顔だが、その髯を見ると、流石の滄洲も吃驚(びつくり)した...
薄田泣菫 「茶話」
...二十(はたち)あまりの薄髯のある男の顔を...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...……ソーリン (髯をしごきながら)これで一生...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...髯のぢいは、まだ年の若いころ、この村を出て、あちこちでいろいろの仕事をしたさうです...
土田耕平 「海坊主の話」
...彼等は髯剃りの秘法が行われている間じゅう...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...お齢ゆえ」玄白斎の白い髯は...
直木三十五 「南国太平記」
...絣(かす)りの着流しに八字髯(はちじひげ)を生(はや)しながらその顔立はいかにも田舎臭い四十年配の男が一人...
永井荷風 「寺じまの記」
...三十円の月給を頂戴(ちょうだい)してやうやうに中学校の教員となつて校長のお髯(ひげ)を払ふやうな先生が天下丸呑(まるのみ)の立志論を述べ立つる抔(など)片腹痛きにも限りあるものなり...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...口漱ぎ、顏を洗ひ、髯を剃つて、一層晴々した心持になつて食堂に入つて行つた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...人のいい胡麻塩髯をふるわしてとび込んで来た...
宮本百合子 「「インガ」」
...顎髯(あごひげ)をいじってから云った...
山本周五郎 「季節のない街」
...某名士氏は静かに白髯を掀しながら立ち上った...
夢野久作 「恐ろしい東京」
...白髯を垂れていた...
吉川英治 「平の将門」
...あのどじょう髯(ひげ)の――青木丹左という者の成れの果てを思いもかけず...
吉川英治 「宮本武蔵」
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