...髣髴(ほうふつ)と眼底に浮ぶような気がした...
芥川龍之介 「秋山図」
...現在の野村の心もちが髣髴出来るように感ぜられた...
芥川龍之介 「路上」
...昔の慎太郎さんに髣髴たるものがある...
石川欣一 「可愛い山」
...その行列の姿を髣髴(ほうふつ)とさせるのである...
高見順 「如何なる星の下に」
...髣髴(はうふつ)として一大奇景の眼下に横(よこたは)れるを見る...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...髣髴と雖(いへど)もわが心いかでかこれに向つて馳(は)せざらんや...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...猛勇恰もアレースに 45髣髴として出づるを見...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...母の全体はとても髣髴(ほうふつ)する訳に行かない...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...不足ながら客観的形相をかりてこれを髣髴(ほうふつ)させようとするのであります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...偉(い)な塊(かたまり)を脳中(のうちう)に髣髴(ほうふつ)して...
夏目漱石 「それから」
...自然古風な自分の父を眼の前に髣髴(ほうふつ)した...
夏目漱石 「道草」
...吾人がミイラによって埃及人(エジプトじん)を髣髴(ほうふつ)すると同程度の労力を費(つい)やさねばならぬ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...これらの花々は過ぎ去った日の還らぬことどもを髣髴と眼の前に漾わす...
原民喜 「夢と人生」
...澄明の大気の彼方にありあり髣髴する蜃気楼の夢に眼を視張らせられて恍惚の吐息に愉悦を味はふこと幾度(いくたび)――その都度口を極めて筆を執つて嘆賞――おそらくは砂漠に道をうしなひ...
牧野信一 「坂口安吾君の『黒谷村』を読む」
...日本のold(オールド)Romance(ローマンス)の時代を髣髴するやうな空気の中で学生らしい日々を送つてゐる――といふことなどを伝へると...
牧野信一 「南風譜」
...美人髣髴(ほうふつ)として前にあり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...ガラス一枚に射す電光の光景を髣髴(ほうふつ)として...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その辞々句々を、細心に含味してゆくと、およそ、武蔵が、六十年の巷で、何を知って来たか、どう歩いてきたか、髣髴と、彼の生涯が、分ってくる...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??