...凡てを撥無してもなほ飽き足らない戀人の熱情を髣髴させるのだ...
有島武郎 「詩への逸脱」
...六月十日金之助虚子先生座右京都で会った漱石氏私は別項「漱石氏と私」中に掲げた漱石氏の手紙を点検している間に明治四十年の春漱石氏と京都で出会った時の事を昨日の如く目前に髣髴(ほうふつ)した...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...髣髴としてあらはれ渡れる偉大なる山の半面...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...されどさながら金髮のアプロヂテーに髣髴の...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...希(ねがわ)くは髣髴(ほうふつ)として...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...汁粉(しるこ)であるか煮小豆(ゆであずき)であるか眼前(がんぜん)に髣髴(ほうふつ)する材料もないのに...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...汁粉であるか小豆(ゆであづき)であるか眼前に髣髴する材料もないのに...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...禽獣(きんじゅう)に髣髴(ほうふつ)たるものである...
新渡戸稲造 「自警録」
...彼の作品の中にメリメの作品を髣髴させるものの多いのは當然であると言はねばならぬ...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...みんなそれぞれにおれの姿を髣髴させてゐる...
堀辰雄 「恢復期」
...サロメを髣髴するなどゝいつた...
牧野信一 「サロメと体操」
...見える彼と同じくまざ/\と余の眼前に髣髴させた...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...活人画にして私の眼前に髣髴させた...
牧野信一 「毒気」
...早くも神楽の振りごとの身振り面白く繰り込んで来る有様をそのまゝ髣髴とさせる概であつた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...ところがあの四角な本箱が髣髴したゞけで内容は忘れてゐるんだ...
牧野信一 「吾家の随筆」
...彼の河内山を聴いてゐると常に坊主頭の快漢が目前に髣髴として来るのは...
正岡容 「下谷練塀小路」
...ガラス一枚に射す電光の光景を髣髴(ほうふつ)として...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...俳句はそのやうに平明でそして何処かに柔らかい厳格さをも髣髴させてゐるのである...
室生犀星 「俳句は老人文学ではない」
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