...恋愛の幸福を感ずることなくして無数の人間が高雅なる美しき生活を送つてゐるといふ事実は仮令彼等が更に進んでその幸福を味ふともそれ以上に美しく強く――故に社会に対しては更に必要なる――生活することは出来ないといふことを証拠立ててはゐない...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...能楽の幽微で高雅な動作...
上村松園 「簡潔の美」
...そこはくすぐったいような匂いと色調とを持った高雅な女性の寝室であった...
海野十三 「四次元漂流」
...最も高雅なものから最も低俗なものが生れるのは...
高村光太郎 「書について」
...あなたの高雅な人格をお慕いしております...
田中貢太郎 「蓮香」
...人の高雅なりとするものは高雅なりとし...
中里介山 「大菩薩峠」
...習俗的に高雅な観念を会釈(えしゃく)なく文字の上に羅列して快よい一種の刺戟(しげき)を自己の倫理性が受けるように詩趣を発揮するのが通例であるが...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...高雅な魅惑的な匂いなどが醸せそうな筈もありません...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...この歌の如きは勿論近年の円熟した高雅な調べから見れば大したものではないが晶子さん以前には誰も示し得なかつた「張り」を示してゐる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...高雅な形の花瓶だとか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...棒に縛られて舁がれてゆくこの高雅な山の幸(さち)は...
三好達治 「測量船」
...御息所は六条の旧邸をよく修繕してあくまでも高雅なふうに暮らしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あたりの空気は噎(む)せるほども高雅な香りに満ちていた...
山本周五郎 「菊屋敷」
...……高雅な卓上電燈...
夢野久作 「涙のアリバイ」
...しかも何人が見ても一番高雅な所はロンパン・ゼ・サンゼリゼーであろうと思う...
横光利一 「欧洲紀行」
...何か心を淨めてくれる高雅な氣品のあるものが見たかつた...
横光利一 「悲しみの代價」
...赤い大理石のやうな頬と白い頤髯(あごひげ)との間に温かい高雅な微笑を湛へて僕等と握手をした...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...高雅な中に淡い沈鬱な所のある調和を示して居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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