...その日はある高貴なお方の御来場を仰(あお)ぐというので...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...どんな高貴な方でも男は生涯に一度は必ず仏門に入り...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...かならず高貴な報酬を与えねばならぬと心に誓った...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...芸術の高貴なにおい...
太宰治 「斜陽」
...うすぐらい床の間のあたりに高貴な上のほのじろい顔が幻のように浮き上る気がした...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...この少壯學徒の高貴なる遺言と其父なる人の切實なる志とにより成れる記憶すべき記念碑の除幕式が擧行せられた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...奇麗に梳られて顔面の高貴なる粧飾と為れり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...その高貴なる冷美さを失わないのは...
野村胡堂 「楽聖物語」
...あらゆる必要なものをほとんど破裂せんばかりに身にそなえたこの高貴な身体は...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「断食芸人」
...あの高貴な顔だちだった...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...「おれがお前に高貴な令嬢方も滅多にはいてゐないやうな靴を手に入れてやるから...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...その高貴な冷靜な顏色に威嚇(ゐくわく)された...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...全貴族階級のなかでも一番高貴な方々にとっては特段に遅い時間じゃなく...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...高貴な美しい顔がさっと紅潮した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...人間は高貴な心、明智が増せば増すほどやさしくなり、そういう雄々しいやさしさというものは実に不撓(ふとう)の意志とむすびついて居り、堅忍と結びついて居り、しかもストイックでないだけの流動性が活溌に在る、そういうところに、本当のやさしさはあるのですものね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...これもドイツ風の字体で SETSUKO と入つてゐるのはさる高貴な未亡人の注文品かと察しられた...
三好達治 「オルゴール」
...若くてはなはだ高貴なローマ婦人ポンペイア・パウリナは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...獲物のうちでは最も高貴な獲物を殺したのであつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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