...中空(なかぞら)のごとき高処に出づ...
泉鏡花 「海神別荘」
...白雲岳に取り付けば、これも巌ばかりの山也、刀の刃(やいば)に似たる頂上をつたいつたいて、最高処に至る...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...提灯(ちやうちん)を提(さげ)て高処(たかきところ)へ逃(にげ)のぼるは...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...汚(きたな)いとか、綺麗(きれい)だとか増(ふ)えたとか、減ったとかいうが、それはつまり個々の事物に囚(とら)われ、単に肉眼によって見る、差別の偏見から生ずるのであって、高処に達観し、いわゆる全体的立場に立って、如実(にょじつ)に、一切を心の眼でみるならば、一切の万物は、不生にして、不滅であり、不垢(ふく)にして、不浄であり、不増にして不滅だというのであります...
高神覚昇 「般若心経講義」
...若し私より一尺でも一寸でも高処に立つてゐる人でさういふ事を志す人が出て来たら...
高浜虚子 「進むべき俳句の道」
...Tut-tut !』私の眼が高処恐怖病患者と同じ怯懦(きょうだ)さで広い博奕場のあちこちへ走った...
谷譲次 「踊る地平線」
...此は社(やしろ)の背(うしろ)で高処だけに諸方から目標(めじるし)になる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...もし犠牲の高処からでないとすれば果たしてどこからいで得るか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...或時は高処を示すの手段となしたり(ペルヂンスキイは北斎が描く霞の形状をば西洋手袋の指先を並べたるが如しといへり)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...千七百メートルという高処にあって...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...巨岩が立つ上で一高処に達する...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...大いに婦人の地位を推(お)してこれを高処に進め...
福沢諭吉 「日本男子論」
...一三九号 五通(二)佐野鍋山除名の『赤旗』号外 五通(三)昭和九年一月二日西山個人署名論文(四)スパイ最高処分ヲ強調セルモノ 五通(五)三十二年テーゼ 三通(六)兵役法違反 二通(七)『赤旗』一三三号百七十号 清党ニ付テ命令ニ付テ 複写鉄の規律(八)袴田里見上申書以上これは書類をお送りするとの話でしたが一先ず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この地方では広く高処をさしてウネといったようである...
柳田國男 「地名の研究」
...高処より展望すれば早稲(わせ)まさに熟し晩稲(ばんとう)は花盛(はなざか)りにて水はことごとく落ちて川にあり...
柳田国男 「遠野物語」
...そのすこし前の戦争の時にはこの高処(たかみ)へも陣が張られたと見えて...
山田美妙 「武蔵野」
...人間界を高処からながめて考え直せ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...汽車は既によほどの高処を走つて居るらしくその白い瀬は草木の茂つた山腹を越えて遥かに下に瞰下(みおろ)されるのである...
若山牧水 「渓をおもふ」
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