...むかしむかし、心の高ぶった、わるい王さまがいました...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「わるい王さま(伝説)」
...神經の高ぶつてゐる千代子を納得させるまでは...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...このやうにヒステリの高ぶつて來た女なら...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...……高ぶる者を見てこれを悉(ことごと)く鞠(かが)ませ...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...心臓の鼓動も高ぶった...
岡田三郎助 「白い蝶」
...禅師さまは少しも高ぶるところの無い...
太宰治 「右大臣実朝」
...少しも高ぶる事の無い...
太宰治 「ろまん燈籠」
...荒び高ぶるトロイアの戰禍襲ふを防ぎ得む』しか宣んすれば一齊に諸將は之に贊し聽く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...手も着けられぬほど気を高ぶらせ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...高ぶったみたいなことをいいやがる」寝そべって煙草を喫っていた...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...うつかり賛同して彼の文学熱でも高ぶらせるやうな仕末になつては大変だと思つた...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...一四横山五助の、最後のうめきが、まだ耳に残っている浪路、気も上擦って、闇の小径を、それぞ音羽の通りと思われる方角を指して、ひた駆けに駆けつづけたが、息ははずむ、動悸は高ぶる、脚のすじは、痙(ひ)き攣(つ)ッて、今はもう、一あしも進めなくなるのを、やッとのことで、町家の並んだ、夜更けの巷路(こうじ)まで出ると、――ウ、ウ、ウ、ワン、ワン!と、突然、吠えついた犬――人こそ殺したれ、かよわい女気(おんなぎ)の、小犬が怖さに、また、やぶけそうな心臓を、袂で押えて急いだが、小犬はどこまでもと、吠え慕って、やがて、それが、二匹になり、三匹になる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...その人の気持ちは慰められるであろうという高ぶった考えもあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人に高ぶるなんぞといわれないようになさいよ」と忠告すると...
森鴎外 「渋江抽斎」
...高ぶる知は、美の世界においても一つの罪である...
柳宗悦 「工藝の道」
...高ぶる智慧は幼き智慧だと云えないであろうか...
柳宗悦 「工藝の道」
...すべての工藝を直観の鏡の前に素裸(すはだか)にせしめる時、この最後の審判によって天国を保証される者は、あの富貴なる者、智慧に高ぶる者、技巧を衒(てら)う者、それらの者ではあり得ない...
柳宗悦 「工藝の道」
...自我に高ぶる者より謙遜(けんそん)な者の方が慕わしいのです...
柳宗悦 「美の国と民藝」
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