...しかしその貧しさ惨めさに対して高ぶつてゐるものゝ一人もゐないと云ふ事は皆んなの態度で龍子にはハツキリ感じられた...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...彼女は別に高ぶる様子もなく...
海野十三 「三人の双生児」
...少しも高ぶらないで答えました...
江戸川乱歩 「大金塊」
...心臓の鼓動も高ぶった...
岡田三郎助 「白い蝶」
...正しい理由のある自己満足からくる何となく高ぶったところもあった...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...別に高ぶる風もないがそれで居て權威がある...
高濱虚子 「俳諧師」
...いかにも謙遜(けんそん)で少しも高ぶったところがない...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...「新聞! そうとも!」とホームズは途端に気が高ぶらせ声を張り上げる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「株式仲買人」
...みずから高ぶる人は下げられ...
永井隆 「この子を残して」
...今までにない感情の高ぶりを感じた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...手前のすることが気障ツぽくて少々疳が高ぶつてゐたところなんだぞ...
牧野信一 「日本橋」
...彼らの脳の表面をふわふわしているあの知識で高ぶろう威張ろうとばかり思うので...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...高ぶり饑(う)え渇(かわ)いているその器官の切除切断を行った...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...高ぶる感情や焦(いらだ)つ姿は器には相応(ふさわ)しくない...
柳宗悦 「工藝の道」
...いつか高ぶるものは亡びるであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...自我に高ぶる者より謙遜(けんそん)な者の方が慕わしいのです...
柳宗悦 「美の国と民藝」
...高ぶった奴の鼻はツンと済ましております...
夢野久作 「鼻の表現」
...この宮子の高ぶった誇りの穴へ落ち込んだ日本人――甲谷が...
横光利一 「上海」
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